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TechnovationGirls2024 参加学生全員のステージ集合写真

女子&ノンバイナリーの中高生・大学生のためのフェスティバル
「Waffle Festival2024」にソニーグループ株式会社がゴールドスポンサーとして協賛
-わたしの未来は、テックとともに、手に入れる-

ソニーグループは、IT分野のジェンダーギャップの解消を目指す特定非営利活動法人Waffleが5月25日(土)から26日(日)にかけて開催した「Waffle Festival2024」にゴールドスポンサーとして協賛しました。1日目の10代の女子およびジェンダーマイノリティ(※)を対象とした世界を舞台にしたアプリ開発コンテスト「Technovation Girls 2024 日本公式ピッチイベント」(後援:文部科学省)、2日目のIT業界で生き生きと働く女性と女子およびノンバイナリーの中高生・大学生をつなぐための各種セッションやワークショップにおいて、ソニーグループ(株)執行役員松岡 直美をはじめ、ソニーグループの社員も登壇し、次世代を担う参加者の皆さんへ応援メッセージをお届けしました。「Waffle Festival2024」各日のイベントの様子をレポートいたします。

Day1 「Technovation Girls (テクノベーションガールズ)」 日本公式ピッチイベント

Technovation Girls は、米国のSTEM教育NPO 「Technovation」が主催する、次世代の女性IT起業家の育成を目的としたアイディア・ピッチ(プレゼンテーション)・技術力・起業家精神の4つを競い合う10代のための国際的なテクノロジー教育プログラムです。本部のある米国で開催される世界大会は2010年からはじまり、これまでの参加者は、世界100か国以上、約55,000人にのぼります。加えて日本国内で独自に行われる日本公式イベントは今年で7回目となり、全国47都道府県より総勢409名、85チームが参加。参加者たちは、約半年をかけて、大学生や社会人ボランティアのメンターサポートも得ながらアプリ&ビジネス開発に臨み、事前審査を通過した精鋭10チームが、ソニーグループを含むスポンサー企業5社の審査員と現地およびオンラインの視聴者に対し、社会課題をテーマとしたビジネスプランとオリジナルモバイルアプリの開発について、各チーム工夫を凝らしたプレゼンテーションを行いました。

いきいきと、思いを伝える。プレゼン中のひとコマ
ソニーグループ賞受賞チーム"Anemone"の皆さん(左)と松岡(右)
イベントの様子はオンラインライブ配信も行われた

スポンサー企業からの審査員の一人として登壇した松岡は、冒頭、「テクノロジーの力でいかに社会課題を解決するか、多様なアイデアでより良い方向を目指していらっしゃる皆さんの情熱を聞かせていただくことを楽しみにしている。皆さんの取り組みを今後の未来につなげていけるよう、私たちも応援しています」と挨拶。このプログラムでは、プレゼンテーションに先立ち、各チームがそれぞれに社会課題という大きなテーマから、ターゲットを選定し、そのためにアイディエーションから、ユーザーリサーチを行いました。また、社会人メンターからフィードバックを受けて改善を続け、プログラミングを駆使しながらアプリを開発し、事業計画・財務計画に至るまで、すべて中高生が自ら考え創造しました。プレゼンテーション当日、各チームは緊張の面持ちでありつつも身振り手振りを交え、生き生きと発表していました。
日本の高齢化危機と世界的な認知症問題を課題と捉え、日本の伝統文化"折り紙"の治療技術に着目し、アバターを利用した3Dレッスンや共同活動のためのコミュニティ・スペースを提供するなど、認知症対策ができるビジネスおよびアプリを提案したのは、メンバー全員が中学生のグループ。また、車椅子ユーザーの電車サービスに関するアクセシビリティを改善するために、鉄道会社とも連携しながらビジネスモデルや資金計画を検討し、車椅子ユーザー向け事前予約アプリを開発したグループなど、さまざまな人たちとその社会を健やかに元気に変えていくアイデアが次々と発信されました。審査の結果ソニーグループ賞は、聴覚障がいのある方々が災害時に生命の危機がより高くなることに着目し、安全かつ安心して避難・生活できるよう支援するビジネスおよびアプリをプレゼンテーションした大阪の高校生3人のチームに決定。副賞のソニー製ワイヤレスステレオヘッドセットが贈呈されました。松岡は、「世界中で災害が増えている中、災害対策先進国として日本初のテクノロジーとアイデアでコミュニティをつなぎ課題解決を図るこのアプリは、世界へと夢が広がる」として高く評価、チームの皆さんも実現へ向けての決意で目を輝かせていました。

鳥内真悠(ソニーグループ株式会社)による、
ソニーグループの事業や取り組みの紹介も
懇親会で談笑する皆さん
おめでとうございます!
左から松岡、受賞チーム"Anemone"の皆さん、鳥内
  • 米国・「Technovation Girls 2024」の募集要項に沿って、「Technovation Girls」に興味のあるトランスジェンダーの方はもちろん、ノンバイナリーやジェンダー・ノンコンフォーミングを自認する方で、女性向けの環境で学習したい方を対象としています。

Day2 ソニーグループのエンジニア二人がクロストーク!「わたし × IT × チーム力」

2日目には、将来を考える女子およびノンバイナリーの中高生・大学生の皆さんが 「ITで楽しく人生を切り拓く」ことを身近に感じてもらうテーマの下、各スポンサー企業で働く女性エンジニアや研究者によるセッションやワークショップが行われました。
ソニーグループからは、大屋瑠璃(ソニー株式会社)と戸田綾佳(株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の2名の社員が登壇。"エンジニアふたりがクロストーク!「わたし × IT × チーム力」" と題し、それぞれが担当する業務内容の紹介、質問に対するトークセッションなど、参加学生の皆さんへ30分にわたって届けました。

登壇者

登壇者の写真

左:大屋 瑠璃
(ソニー株式会社)
2020年、ソニー株式会社に入社。学生時代はコンピュータビジョンを専攻。入社後は空間再現ディスプレイの研究・開発業務に従事。趣味は写真撮影・ボードゲーム。

右:戸田 綾佳
(株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
2021年、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントに入社。学生時代は教育情報工学を研究。入社後は現在にわたりPlayStation™Networkの運用業務に従事。趣味はゲームと園芸。

実際のトーク内容、ピックアップ!

学生時代に考えていた理系のイメージと、仕事としてのギャップはありますか

大屋:
エンジニアといえば、パソコンの前で一人で一日中カタカタしているようなイメージを持っていました。もちろんそのような仕事もありますが、ソニーはエンタテインメント事業も有する会社ですので、私の場合は実際に現場に出て有名なアーティストと一緒にするような仕事も多くあります。「理系はコミュ力いらないよ」などと言われますけど、全然そんなことないな、と感じています。
戸田:
すごいですね。私自身は現場に行く仕事はあまりないですが、コミュニケーションスキルは、たしかに必要ですね。結構海外のメンバーと一緒に仕事する機会もあるので、英語力とコミュ力、両方アウトプットが求められますね。
大屋:
英語大事ですよね、学生の時にもっとやっておけばよかったと思っています。仕事をする中でギャップはありましたか?
戸田:
そうですね、私自身は情報系を学んできて、そのままIT業界に入ったので、周りは皆さん理系出身の人が多いかなと思っていたのですが、実際に入ってみると文系出身の方もいらっしゃって。出身に関係なく、みなさん活躍されているなと感じています。

ソニーではチームで仕事をすることも多いと思いますが、チームの中で自分らしさを生かせたと思う場面は

大屋:
私が働いているチームではそれまで男性メンバーしかいなくて、私が初めて女性社員としてチームに加わったという感じでした。そのため、私が出す意見が 「へえ、そういう考え方もあるんだ」、と、新鮮に受けとめられることはよくあります。ほかにも、エンタメ領域のブレストなどを行う中で「あ、それ今、女性の間で流行っていますよ」と伝えることもあったりします。それらは、自分の好きなことや興味のあることをチームに提案するという意味で、自分らしさを生かせた場面だと思います。
戸田:
素晴らしいですね。私自身は、実は面倒くさがりの上に心配性で、思い切ってやることが苦手です。月1回ぐらいの頻度で、作業1つでもミスをすると影響が大きい仕事があって、怖くて面倒くさいなあと思っていたんですね。思っていたからこそ解消したいなと思って。自動で作業対応できるものをつくり、目視や手で作業するプロセスを基本なくして、間違えること自体が減るように工夫しました。これも1つ、自分らしさを生かした話ですね。

女性がマイノリティの環境で、自分の意見が尊重されていると感じますか

大屋:
むしろ逆で、ソニーという会社に入って、自分が女性でマイノリティだなと感じたことの方が少ないです。何か意見を出すときに、女性だから、若いからという理由で尊重されないような経験は全くなく、どちらかというと単なる「違い」です。例えば、マイノリティという意味では、 身体的特徴として女性の方が男性より体が華奢なこともあるかと思いますが、そういった個人差が体験の快適さを損なうことがあります。実際、テスト段階で私が体験してみてそれを強く感じたため、私のような女性を含むより多くのデータを収集してほしいと伝え、多くの人が快適に体験できるサービスとなるように働きかけを行いました。その結果、商品に、個人差を吸収する仕組みを取り入れていただくことができました。女性の意見もきちんと聞いてくれますし、マイノリティだからとネガティブな印象を受けたことはないですね。戸田さんはいかがですか?
戸田:
そうですね、私自身、情報系でパソコンに向かう仕事が多いので、女性はチームの中でマイノリティで、チームに一人か二人いる程度ということが多いです。でも、身体性的な部分では影響がない業務内容ですので、女性性を生かすことも、女性だからダメということもないかなと思いますね。私自身も、一人のエンジニアとして、大屋さんと同じ感じで意見を話して、それが採用されるかどうかはその話し合いの中でただの1エンジニアとしての意見としてであり、そこには女性であることは影響しないかなと思います。

最後に、お二人から 参加学生の皆さんへメッセージをいただけますか

戸田:
皆さん、本日はご参加いただきありがとうございました。いろんな話ができたかなと思うので少しでも参考になりましたら幸いです。あと1つ、お話することがあるとしたら、ぜひ皆さん、いろんな人と接してください。本当に世の中たくさんの人がいて、皆さん一人ひとりがお持ちの価値観・考え方・常識それぞれに違ったりします。対面で話したり、話を聞いたり、接することで刺激を受けられると思います。
大屋:
中学生の方ならどの高校に行くか、高校生なら文理選択をどうするか、大学に行くのか、どこに就職するのか、悩む選択点がいろいろとありますよね。でも、自分がどんな属性でも何かが苦手であっても、自分が「やりたい」ことがあれば必ずその道に行けます。例えば文転するか、理転するか、考えてそれを繰り返して今理系にいる人もいますし、その時はもう悩んでよく分からない中で「えいやっ」と決めたとしても、その後「こういうことをやりたい」と思ったらそこに進む道は必ずあるので、一つ失敗したからと言ってその道に進めないということは絶対にないと感じています。戸田さんも言ってくださいましたけど、何でもいろんなことに触れていくうちに、「あ、自分はこれが楽しいんだ」、「これもちょっとやってみようかな」ということに必ず出会えます。いろいろなものに触れ、いろいろなことに挑戦してみてください。今日はありがとうございました。

当日、ノートを片手に熱心にメモする参加者の姿も見かけられ、参加者からは、「お二人の意見が興味深かったです。ジェンダー差を感じないというのは意外でした」「社員に優しい会社なんだと思い、改めてソニーに就職したい気持ちになりました」などの声が寄せられました。

青空の下に映える、会場のスカイデッキに設置されたWaffleFestivalパネル板
  • Technovation Girls 2024 公式サイトはこちら
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ソニーグループは、今後も、次世代に理工系分野の学びの面白さや素晴らしさを伝えていく活動に取り組んでいきます。

関連リンク:ソニーグループポータル | SONY STEAM GIRLS EXPERIENCE