ヒトの知覚を超えたセンシングを実現する
人間が高度な動作を行う事が出来る理由の一つに、”触覚”があります。ロボットが人と協調して高度なタスクをこなす時代の到来を見据え、力分布をきめ細やかに検出できるマルチモーダルなセンサと、そのセンサを顧客が使いやすくするためのソリューションを開発しています。人に近い触覚を獲得する事で、ロボットはモノを落とさずに持ったり、道具を自分の体の一部の様に上手に扱ったりするだけでなく、モノの形や質感、空間を把握したり、相手の感情を推しはかるようなコミュニケーションが可能になります。また、触覚センシングの技術はゲームやスポーツといった幅広い領域へ応用できます。
慣性センサの用途は人や物の動きをトラッキングすることです。並進運動を捉える加速度センサ、回転運動を捉えるジャイロセンサとから成ります。速い動きに追従できる特長を活かしてカメラ手振れ補正やドローン姿勢制御に応用できます。また運動による慣性力は場所によらず発生しますので、地下トンネル工事、深海の潜水艦、宇宙の人工衛星などあらゆる環境で使用できます。慣性センサの技術課題はドリフトです。センサにわずかな誤差があると位置や姿勢の誤差が時間と共に発散してしまいます。そこでソニーは複数の慣性センサを合成することにより、このドリフトを抑制することに成功しました。小型・軽量・低コストな高精度慣性センサと、その応用技術を開発しています。