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令和2年 春の褒章において紫綬褒章を受章

2020年12月18日

梅林 拓

ソニーセミコンダクタソリューションズの梅林 拓が、日本の褒章の1つである紫綬褒章を受章しました。ソニーグループでの受賞は、史上10人目となります。平成以降では平成2(1990)年春の木原 信敏、平成5(1993)年春の中島 平太郎(当時アイワ社長)、そして平成28(2016)年春の柏木 俊行に続く4人目の快挙となります。

紫綬褒章とは科学技術分野における発明・発見や、学術およびスポーツ・芸術分野における優れた業績などに対して表彰されるもので、例年、春と秋の2回発令されています。この度の梅林の受章は、積層型多機能CMOSイメージセンサー構造の開発に関する業績が評価されたものです。なお、本開発については、平成28年度の全国発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において「内閣総理大臣賞」を受賞しており、その後の発明協会推薦により、平成30年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)も授与されています。また、発明協会からは今回の紫綬褒章への推薦をいただいています。

(左)紫綬褒章の賞状 (右)本件の特許証と褒章のメダル

褒章のメダルの表面(左)と裏面(右)

コメント

最初に、このような褒章をいただいたことを本当にうれしいと思っています。ただ、この褒章は多くの社員の皆さんのご協力があっていただいたものと思っていますので、改めて感謝申し上げます。ソニーを代表して受章させていただいたと思っています。

今回受章した技術は、積層型のCMOSイメージセンサーで、これは2008年に初めて私がイメージセンサーを担当したときに思い付いた構造です。機能を搭載しながらコンパクトさを維持し、しかも大量生産に適した構造として、こんなのをやってみたいと直訴して開発に進めさせていただくことになりました。

思い付きから始めた開発は、結果的に世の中に出して受け入れられましたが、最初の2年間は「売れるものなのか」というのをいつも問いかけられていて、非常に苦しんだのを記憶しています。なかなかエビデンスも出ず、開発の進み方もそれほど順調だったわけではなかったのです。しかし、まだ世の中になく、誰もやったことがないものにあえて挑戦し、最終的に製品にできたことは本当によかったと思いますし、このようなチャレンジを許してくれるソニーの社風、文化がいい組織風土となって、この様な受章を後押ししているのだと思います。

私が今回受章したのは、このアイデアを最初に特許にしたという発案に対するものですが、そう考えると技術者の皆さんは、いい特許を書いてそれを実現するチャレンジをすれば、誰でもこのような賞を受章できるチャンスがあるのではと思います。ぜひ新しいことにチャレンジして、新しいものを創出するという挑戦を続けていただければと思います。

私の後にも、このような褒章を受章する人がたくさんソニーから出るといいなと思います。

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