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Sony Technology Day 開催レポート Vol.2
「Connect - クリエイターとユーザーをつなぐ」
2019年9月18日に開催された“Sony Technology Day”では、「つなぐ」「解き放つ」「超える」の3つのテーマで技術展示を行いました。ここでは「つなぐ」のテーマ、クリエイターとユーザーをつなぎ、感動を届ける音や映像に関わる技術展示をご紹介します。
クリエイターの意図する映像を届ける高画質技術
98インチの8K液晶テレビ ブラビア®『Z9G』(海外モデル)を使ったデモを実施し、高品質な8K映像を再生するためのコアとなる技術を紹介しました。
めざすのは、「クリエイターが生み出すコンテンツを高い品質でユーザーに届けること」であり、そのためには映像品質が高度に磨き上げられた8Kの画素密度が重要になります。『Z9G』には、高画質プロセッサー「X1 Ultimate」、超解像エンジン「8K X-Reality™ PRO」、バックライト技術「Backlight Master Drive™」といった様々な高画質技術が盛り込まれていますが、それらの要素技術を高度化しながら、「解像度」「階調」「フレームレート」「色域」「輝度範囲」という“画質の5要素”を高いレベルでバランスさせる必要があると考えています。
4K HDR対応有機ELディスプレイを搭載したフラッグシップスマートフォン『Xperia 1』には、クリエイターの意図した映像表現を再現するため、映像制作の基準器として使われているソニーのマスターモニターを手掛ける部門が監修した色設定「クリエイターモード」を搭載しています。
映画撮影の制作現場などに向けて、複数の『Xperia 1』とデジタルシネマカメラCineAlta(シネアルタ)『VENICE』をワイヤレス接続し、『Xperia 1』をサブモニターとして用い、現場スタッフ複数人が同時に『VENICE』から転送された映像を各々手元でモニタリングできる新しいソリューション提案を行っています。
ライブ映像を効率よく届けるIP映像伝送と5Gの活用技術
次世代携帯網5Gの広帯域・低遅延を使い、スポーツなどのライブ中継を高品位のまま簡便に効率よく提供することをめざした技術デモを行いました。
デモでは、複数台のカメラからリアルタイムで映像を圧縮した信号を送信。クラウド上の「Virtual Production」システムに映像が伝送され、映像の選択やクラウド環境上で映像のスイッチングやエフェクトの追加などを可能にしています。ソニーの高画質化技術を生かしつつ、ICTと親和性の良いIP伝送技術を取り込むことで、製作シーンに応じた映像制作ソリューションを提供できると考えています。
空間に自在に音を配置するオブジェクトベース空間音響技術
CES 2019などで360 Reality Audioとして発表しているオブジェクトベースの空間音響技術を紹介しました。
めざすのは、「従来のステレオの音楽体験から、全天球に広がる、音に包まれ、その場にいるような臨場感と新しい音楽体験の追求」であり、専用のスペースで、空間に音を自由に配置した音楽をスピーカーとヘッドホンの両方で体験できるデモを実施。360 Reality Audioの技術開発では、空間に自在に音源を配置することができる制作ツール、音楽のストリーミング配信に適したフォーマット、スマートフォンで撮影した耳の写真からヘッドホンでの音楽体験を個人個人に最適化する技術などの開発を行っています。