【CEATEC 2024】 ソニーが作る型破りな「イメージセンサー」とは?
10月15日(火)から開催される「CEATEC 2024」で、ソニーグループは、私たちの身近なところに浸透している多様なイメージング・センシングテクノロジーを、好奇心や期待感を揺さぶる体験型展示を通じて紹介します。今回の記事では、その中核にあるイメージセンサーの技術をなぜソニーが生み出し続けることができるのか、その歴史やトップエンジニアの想いから探ります。
あらゆる光を感じとるイメージセンサー
イメージセンサーは、「電子の眼」と呼ばれる半導体です。この小さな半導体により、私たちはスマートフォンやカメラを通じて日々のさまざまな光景を撮影し、感動を共有し合うことができるようになりました。
さらにソニーは、人間の眼を超えるイメージセンサーをめざし、解像度、速度、距離、見えない光を感じとることなど、性能の限界に挑戦し続けてきました。イメージセンサーとさまざまなテクノロジーとの融合で実現する「センシング技術」は、我々の生活や社会基盤にも浸透し、我々の身近なところで新たなソリューションやエンタテインメントとして生活のあらゆる場面を支えています。
なぜソニーのイメージセンサーが選ばれるのか?
イメージセンサーをソニーが世の中に初めて誕生させたのは、今から40年以上前のこと。「イメージセンサーを作ることができれば、安価なビデオカメラも誕生し、一個人でもビデオカメラを所有して気軽に使えるようになるはず」。思い出を映像として残すという新たなライフスタイルを一般に広げるために、ソニーの経営をかけた信念と、エンジニアたちによる執念により、8年の年月をかけて実用化しました。ソニーのイメージセンサーは2023年の売上ベースで53%と、世界No.1のシェアを誇っています。
なぜソニーは、世界の顧客から選ばれるイメージセンサー技術を生み出せるのでしょうか?トップエンジニアとしてソニーの次世代人材育成に携わるソニーグループ株式会社の辰巳哲也は、このように語ります。
「ソニーのエンジニアはいろんな意味で自由です。自分を常識の枠にはめず、やれないことをやって遂げてしまう人が多く集まっている大変ユニークな会社です。この自由さを受け入れる企業風土は、イメージセンサーの開発においても活かされており、従来の考え方では実現が難しいと思われるような新しい製品の開発をこれまで何度も成功に導いてきています」
1970年にCCD開発を開始して以降、ソニーは要素技術の追求や徹底した製造ノウハウを習得することに打ち込み、さらに困難な技術の習得をめざし、挑戦を続けてきました。創業期から受け継がれてきた「人がやらないことに挑戦する」というDNAが飽くなきチャンレンジへの意欲を掻き立て、裏面照射や積層型のイメージセンサー技術など、業界を驚愕させる成果を生み出してきているのです。
「もう一つ、"この技術が将来どのような新しい体験に繋がるか?"という明確なイメージを描ける人が活躍できるのがソニーという会社だと思います」(辰巳)
イメージセンサーも、"自分の技術で世の中をこう変えていきたい"というビジョンと情熱を持つ人たちが挑戦し続けたことで、多様な機械の「眼」として活躍できるまでに、技術進化させることができたのです。
辰巳は、「世の中の広い世界を知り、繋がり、学ぶ姿勢が、エンジニア個人にも、ソニーにとっても大切な財産になっています」と強調します。
ソニーグループの社内には、デジタルカメラやスマートフォン、業務用カメラ、セキュリティカメラなど、イメージセンサーを必要としている事業があり、さらにイメージセンサーを搭載したカメラでさまざまなクリエイティブコンテンツを制作するエンタテインメントの事業もあります。さらに社外においても、世界中に点在する顧客やパートナーとの対話を続け、彼らが実現したい先々の付加価値について日々学んでいます。世界から貪欲に学び取る姿勢、自分達の技術で未来を作りたいと思うエンジニアの情熱、そして良い意味で顧客の期待を裏切る「型破りな創造力」。これこそが、ソニーの強みであり、顧客に選ばれるイメージセンサーを開発する原動力となっています。
「HELLO, SENSING WORLD!」 ———CEATEC 2024に出展
今年のソニーブースでは、多様な産業との協創を通じて、新たな感動体験や安心安全な社会の実現に貢献するソニーのイメージング・センシングテクノロジーについて、展示を行います。モビリティやエンタテインメントなどの幅広い分野で人々に新たな発見や感動をもたらし、より安心して暮らせる社会に貢献する先端技術やソリューションを体感いただけます。驚きと発見に満ちたセンシングの世界をお楽しみください。
ソニーの出展概要について詳しくはこちら:CEATEC 2024
さらに、ソニーの視点で振り返る半導体の歴史と企業文化について詳しく知りたい方には…
東京大学主催の『半導体戦略概論』にて、ソニーセミコンダクタソリューションズ 代表取締役 兼 CEOの清水照士が講義を担当し、以下のレポートで紹介しています。
東京大学『半導体戦略概論』講義レポート〜ソニーの視点で振り返る半導体業界の変遷〜 | 特集 | ソニーセミコンダクタソリューションズグループ (sony-semicon.com)