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ソニーの最新のサステナビリティ活動を解説 サステナビリティメディアブリーフィング2024開催

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ソニーグループは、2024年10月31日に「サステナビリティメディアブリーフィング2024」を品川本社で開催し、サステナビリティ活動の概要と、環境に関する取り組みを紹介しました。その様子をお届けします。

2024年にSony's Sustainability Vision(サステナビリティビジョン)を策定

ソニーのサステナビリティ活動の概要を説明するシッピー光

冒頭、サステナビリティ推進部 シニアゼネラルマネジャーのシッピー光が、グループ全体のサステナビリティ活動の概要を紹介しました。

シッピーは、ソニーが掲げる Purpose (存在意義) 「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」のもと、人々に感動を提供するには、安心して暮らせる社会や健全な地球環境があることが前提であると言及。ソニーはイノベーションと健全な事業活動を通じて、企業価値の向上を追求し、持続可能な社会の発展に貢献することを目指していると述べました。

そして、ここ数年、自然災害の多発や人権リスクの拡大、情報開示義務への対応などサステナビリティに関する課題は多岐に渡り、ステークホルダーからの期待や要請も変わってきていることに触れ、グループ全体でこれまで以上に目指す方向を明確にし、多様なステークホルダーに、ソニーのサステナビリティの活動の基本的な考え方を分かりやすく伝えるため、2024年に"Sonyʼs Sustainability Vision"(サステナビリティビジョン)を新たに策定したことを紹介しました。シッピーは策定の背景について、「サステナビリティの活動を通じても感動を生み出し、感動あふれる未来にするために行動していく必要があるという思いを込めました」と、述べました。

新たに策定したSonyʼs Sustainability Vision(サステナビリティビジョン)

次に、ソニーとして具体的な取り組みを実施する際の重要項目を明示しました。「気候変動」「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」「人権の尊重」「サステナビリティに貢献する技術」の4項目において、各事業の事業特性や強みに応じた取り組みを進めてきたことを説明しました。代表的な事例では、エンタテインメント・テクノロジー&サービス事業などによるアクセシビリティに配慮した製品やサービスの提供や、米国に本社を置くソニーミュージックグループと日本のソニー・ミュージックエンタテインメントのアーティストやクリエイター、スタッフらに対するメンタルヘルスケアの支援を紹介。グループ各社で進む社会課題解決に向けた取り組みでは、2024年4月に設立した一般社団法人「Arc & Beyond」 の活動などを取り上げました。

ソニーの環境中期目標「Green Management 2025」の進捗

ソニーの環境の取り組みの進捗を説明する志賀啓子

続いて、環境グループ ゼネラルマネジャーの志賀啓子が、環境の取り組みの進捗を説明しました。

ソニーは、2010年に長期環境計画「Road to Zero」 を策定し、「気候変動」「資源」「化学物質」「生物多様性」の4つの視点から、2050年までに自らの事業活動および製品サイクルを通して環境負荷ゼロとすることを目指しています。さらに、5年ごとに環境中期目標「Green Management(GM)」を設定して環境負荷削減を進めています。また、4つの領域の中でも気候変動への対応がとりわけ喫緊の課題となっていることを踏まえ、 2022年には気候変動領域の目標達成年を10年前倒ししました。2040年までに、自社の直接排出分であるスコープ1から、自社以外の排出分であるスコープ3までを含むバリューチェーン全体での温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロの達成を目指しています。

志賀は、2025年度までを目途に現在取り組んでいる環境中期目標「GM2025」 の進捗について、2023年度末時点で約7割の項目が計画に沿って推移していると説明。特に、スコープ2にあたるソニーの事業所での再生可能エネルギー導入については、「再エネ電力比率を35%にするという目標を、2023年度に2年前倒しで達成しました」と報告しました。

ソニーのGHG排出量全体の約95%を占めるスコープ3においては、「販売した製品の使用」と「購入した製品・サービス」が大部分を占めていると解説しました。製品における省電力の取り組みとして、テレビ ブラビア ®の視聴中の電力消費量を削減する技術を紹介。サプライチェーンにおけるGHG排出量の削減に向けた取り組みにおいては、サプライヤーへのノウハウの提供などによって省エネ・再エネ導入を推進する「パートナーエコチャレンジプログラム」を挙げました。

パネルディスカッションでエンタテインメント事業にフォーカス

プレゼンテーション後には、シッピーと志賀、ファシリテーターによるパネルディスカッションを行い、エンタテインメント事業における取り組みも紹介しました。

シッピーから「エンタテインメント事業は主に米国に本社を置いているということもあり、多様性や社会正義が注力項目の一つ」と解説。社会正義や人権保護に取り組んでいる団体の支援ならびに社内外のダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進支援を実施する「Global Social Justice Fund(GSJF) 」を紹介しました。GSJFを通し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントでは奨学金のほか、テクノロジー・ゲーム分野へのキャリアパスの提供、ソニーミュージックグループでは企業の社会的責任、パンデミックからの回復、社会正義、災害・人道支援などの領域を中心に、社員が毎年幅広いプログラムや基金への支援を行っています。また、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントでも、多様な人々が制作現場で活躍するためのプログラムを設立し、アートやテレビ業界のビジネスに関する知識や機会の提供を行っています。

サーキュラーエコノミーの形成に向けたソニー独自の開発素材を展示

ソニーは事業活動と製品のライフサイクルを通して、「投入資源の最小化」と「再資源化の最大化」を推進しています。例えば、世界各地で回収した使用済み製品の再資源化についてはリサイクラーと協業を行っており、製品への再生資源の活用も追求しています。サーキュラーエコノミーの重要性が高まっていることを受けて、会場では、環境に配慮したソニー独自開発の4素材、オリジナルブレンドマテリアルTriporous™(トリポーラス)SORPLAS™(ソープラス)、高音質再生プラスチックの実物展示を行いました。

ヘッドホンなどの商品のパッケージなどに活用されている紙素材オリジナルブレンドマテリアル
衣類や生活雑貨などに使われている、もみ殻から生まれた多孔質カーボン素材Triporous™
ブラビアやXperia™、カメラに使われている難燃性プラスチックSORPLAS™
音質に優れ、サウンドバーなどのオーディオ製品のパーツに使える高音質再生プラスチック
ライブなどでアーティストに贈られた祝い花をドライフラワーとして再利用