SSPAとは?
ソニーは、社会貢献活動の一環として、海外の高校生を対象にした交流プログラム「Sony Student Project Abroad (略称:SSPA)」を実施しています。 これまで、1990年から10年にわたっては米国の高校生を、また2006年からは中国の高校生を対象にして、毎年開催してきました。
5回目を迎えた今年のSSPA(China)2010。
今回は7月26日から8月2日までの1週間、経済発展の著しい3都市(瀋陽市、済南市、広州市)から選抜された高校生30名を日本に招致しました。
現在、中国では、経済発展が進む中、環境保全も大きな課題となっています。そこで、今回のテーマは『若い視点で新しい発想を—低炭素社会の実現に向けたライフスタイルを見つけよう』とし、将来を担う学生たちに「環境保全と経済の持続可能な発展」「地球温暖化問題」「循環型社会」「生物多様性保全」を学ぶプログラムに参加してもらいました。
また、日本の高校生やソニー社員との交流、ソニー社員宅へのホームステイ体験を通して、日中相互理解を深める機会を提供しました。
中国からやってきた30名の高校生。彼らが発見したものとは?
7日間を振り返ってリポートします。
中国大使館より湯公使参事官、全国中華青年連合会より宮団長、呉秘書長、弊社のストリンガー会長、中鉢副会長、久保田中国総代表出席のもと、なごやかに開催。 学生たちのパフォーマンスが披露され、これからの日本滞在への期待感も伺えた。
関東国際高校の学生と共に、模擬的に各国の大統領・外務大臣・環境大臣などに扮し、それぞれ資源や金銭、技術などの資産を交渉の材料とし、各国間で交渉を進めながら経済と環境のバランスがとれた持続可能な社会づくりを目指します。
ゲームの途中で、一国では対処できない温室効果ガス削減のための施策(植林活動、排出権取引など)を講じることが求められ、交渉を通じた国際協力も学びます。(プログラム提供:フルハシ環境総合研究所)
プログラムの開始前に、学生たちによる出身市の紹介、歌やソーラン節などのパフォーマンスを披露しあい、文化交流も。
ソニーを代表する製品である“ウォークマン”の歴史、技術の変遷やエンジニア/マーケティングの仕事について紹介。実際の開発者から直接説明をきくとともに、最新の実機に触れ、デジタルノイズキャンセリング等のデモを体験。
午後は名古屋にあるグリーンサイクル株式会社を訪れ、テレビやエアコン、冷蔵庫のリサイクル工程を見学。最後に学生から活発に質問がされ、循環型社会への関心を深めていました。
“ハンディカム”や“サイバーショット”などの製品を製造している幸田サイトには、社員がボランティアで保全活動をしている「ソニーの森」があります。
午前中は、生物多様性についてレクチャーを受けた上で、「ソニーの森」を訪れ、自分たちにもできる「生物多様性保全活動」として、ノコギリやトンカチを使って、チームごとに力を合わせて鳥の巣箱を作成。今度来る時には、小鳥が住んでいる事を願いながら、幸田サイト内の木に設置。
ソニー・サイエンスプログラムの最新プログラム「どうして3Dに見えるのかな?作ってわかる、3Dワークショップ」で、3Dの原理を学んだ上で、ミラーゴーグルの制作や3D写真撮影に挑戦。
午後は、粘土を使ったクレイアニメーションづくりに挑戦。テーマは「地球温暖化問題」前半のストーリーとして、「CO2君が大暴れし、お花を枯らせてしまう」ところまでが課題として事前に提示されており、学生は班ごとに、後半のストーリーをシナリオから制作。
地球温暖化について考えるとともに、チームワークの大切さも体感し、参加者全員が大盛り上がりでした。
最後に全員で投票し、最優秀作品を決定!
CO2(二酸化炭素)君がTree(木)さんと恋に落ちる物語。すると、O2(酸素)君が生まれるというLove Story。
日本の家庭生活や、夏祭りの夜店など、ホストファミリーと一緒に楽しんで観光旅行では味わえない貴重な経験と交流ができた様子。最後の歓送会では学生からの成果発表とともに、多才なパフォーマンスが披露された。お別れでは涙も・・・。
Sun Tingさん −SSPA2010 広州(写真中央)
今回のプログラムでは私たちが負う責任について知ることができ、大変貴重な経験となりました。低炭素社会は単なるスローガンではなく、私たちの心に根付くと思います。もし私が将来ソニーのエンジニアになったとしたら、いくつもの環境に優しい商品を作りだすために全力を尽くします。もし政治家になったとしたら、地球に優しい環境をつくることがいかに大切であるか、人々に伝えたいです。私たちの活動が次世代のためになるようにしたいです。
2006年より始まったSSPA。2010年までの5年間で140名の中国からの学生に参加してもらいました。
今年は、5周年を記念し、北京を出発する前に、全国中華青年連合会の主席補佐 倪健(Ni Jian)氏やSSPA(China)の卒業生も多数出席し、記念イベントを開催しました。
卒業生同士はもちろん、現在でもホストファミリーと連絡を取り合ったり、再会を果たした学生が少なくない様子で、SSPA(China)が結んだ縁がつながっていることがわかりました。また、多くの卒業生は、現在は、中国や国外の難関大学に進み、勉学や他の活動に励んでいるとのことで、これからの彼らの活躍が期待されるところです。
当日は、司会やSSPA(China)を通じて学んだ環境保全や国際理解について寸劇を披露してくれるなど、場を盛り上げてくれました。
Wang Nanziさん -SSPA2007 北京
私は今でも3年前に参加したSSPAの事を鮮明に覚えています。Sonyが用意してくれた様々なプログラムや訪れた場所は、私の高校生活のみならず、私の生涯を豊かにしてくれることでしょう。現在は北京大学で国際政治を専攻し、今年の秋には東京大学での学生フォーラムに参加するなど、益々国際的な活動をしていきたいと思っています。