ソニーグループは、育児の男女共同参画を積極的に後押しするために、今年度、育児両立支援施策のさらなる拡充を行いました。
国内のソニーグループにおいては、かねてより育児と仕事の両立や復職時のセミナー、当事者による座談会、上司向けイクボスセミナーなど、さまざまな施策を通じて、育児と仕事を両立する社員や、職場の上司、周囲のメンバーへの啓発を行い、育児をする社員が育児休暇・休職(以下、育休)を取得しやすいよう、両立支援制度とあわせて拡充してきました。その結果、現在では女性社員の育休後の復職率は95%以上となり、男性社員も1年間の育休や、パートナーと交代での育休など、それぞれの家族の形に合わせた育休の取得が増えました。
今後は、さらに多くの社員が長期的な視野で育児と仕事を両立し、働き続けられる環境づくりが重要になります。そのためには、育児や家事の負担が家庭内で誰か一人に偏ることがないよう、家族で育児を同時にスタートさせ、一緒に経験を重ねていくことや、主体的に育児に参加することが必要であると考え、これまでの施策を今年度、大幅にリニューアルしました。当事者となる社員だけではなく、そのパートナーや、職場の上司、周囲のメンバーも含め、子育てに対する既成概念を再考できる場をつくり、育休を取得した社員の経験談を視聴できる動画コンテンツや、育児と仕事を両立させているグループ社員に相談ができる場を提供し、支援の幅をさらに拡充しています。
前編では、さらに内容を充実させたセミナー、動画コンテンツをご紹介します。
2023年7月13日、男女ともに育児参画意識を向上させ、長期的なキャリア継続を支援することを目的としたセミナー「イマドキ子育て世代の両立戦略2023」を開催しました。セミナーには、本人またはパートナーが妊娠・出産を控えている社員、職場のマネジメントがオンラインで参加しました。
株式会社日本ギャップ解決研究所所長、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、公認会計士。
企業・労組・自治体に対し、人財開発・働き方改革・管理職改革に関する講演やコンサルティングを数多く実施。三児の父親でそれぞれで育休を取得。
内閣府男女共同参画推進連携会議議員、日経DUAL共働き子育てしやすい企業ランキング審査員など。
第一部は、塚越学氏による講演が行われました。冒頭、塚越氏は自身の育休取得と家事・育児参画が、パートナーのキャリアの継続につながったという実体験を紹介。子育て世代を取り巻く環境は時代とともに変化しており、女性社員、男性社員、マネジメント、企業それぞれが意識を変える必要があることや、ファミリーキャリアのあり方も変えていく必要があることを述べました。また、産前産後に起きる女性の身体的・精神的・環境的変化と、新生児育児の大変さを説明。男性パートナーの育休取得と家事・育児参画、チームによる子育てが、家族単位で見た場合にいかに重要であるかを述べました。
第二部は、本人またはパートナーが妊娠・出産を控えている社員とパートナーを対象に、「仕事と子育て両立に向けた『チーム子育て』実現への戦略会議」と題したワークショップが行われました。参加者はグループに分かれ、チームの基盤となるパートナーとの良い関係づくりについて考える「夫婦の地雷ワーク」と、チームの育児・家事分担体制を可視化し、工夫やアイデアをシェアする「育児家事分担の罠と工夫ワーク」を実施。約20分間のグループトークで議論された内容は参加者に共有され、塚越氏がワークテーマである「パートナーとの良い関係づくり」と「夫婦での育児・家事分担」について解説しました。
セミナー参加者に対するアンケート調査では、「キャリアのあり方と両立体制について考える機会になった」という意見が多数を占めました。また、「夫婦やパートナー同士が協力しあい、チームで育児に取り組むことの重要性を再認識した」、「男性の働き方が変わること、職場の理解こそが両立支援のカギであることを再認識した」、「育児のフェーズによって柔軟に対応を変えるという考え方を得ることができた」といった感想も寄せられました。
「身近に育休取得経験者がいない」、「上司や同僚の理解が得られるか不安」などといった理由から、育休取得を躊躇しているソニーグループの男性社員のために、育休取得経験者の生の声が詰まった動画コンテンツ「"ちちおや育休"のススメ」を社内公開しています。動画はいつでも見ることができ、何度も見返すことが可能です。今後もさまざまな環境・立場の育休取得経験者の声を反映していきます。
後編では、今年度から新しく始めたリアル体験、社内コミュニティをご紹介します。