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育児もキャリアデザインも、自分を主役に。ソニーグループの育児両立支援〈後編〉

ソニーグループは、育児の男女共同参画を積極的に後押しするために、今年度、育児両立支援施策のさらなる拡充を行いました。後編では、日本国内で今年度から新しく始めたリアル体験、社内コミュニティをご紹介します。

(1) リアル体験:パパの子育て体験塾

前編でもご紹介した2023年7月13日に行われたセミナー「イマドキ子育て世代の両立戦略2023」のオプション企画として、「パパの子育て体験塾(リアル妊娠体験)」を2023年7月27日に開催しました。男性が妊婦の大変さを体感することで、女性の妊娠期のサポートや産後の育児に主体的に向き合うきっかけをつくることを目的に行われたリアル体験には、妊娠中のパートナーがいる男性社員や、妊娠中の女性社員とそのパートナーをはじめ、子育て中の社員や将来のライフイベントに備えたいと考えている社員などが参加しました。

講師:小坂崇之 氏

1978年、和歌山県生まれ。 金沢工業大学 工学部 情報工学科卒。2008年、金沢工業大学にて博士号(工学)取得。 金沢工業高等専門学校、金沢工業大学で講師を務めた後、神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科 准教授に就任。現、東海大学 情報理工学部 情報メディア学科 准教授。

はじめに、講師の小坂氏による講演が行われました。小坂氏は自らの体験をもとに、妊娠中のパートナーの大変さを完全に理解することはできないが、相手を思いやり、共感し、サポートすることが非常に重要であると考え、妊婦の大変さや喜びを疑似体験できるシステム「Mommy Tummy」を開発したと述べました。また、自分自身がいきなり一人で新生児育児をすることになったことが、新生児体験システム「Crying Baby」の開発のきっかけだったと話し、あらかじめ新生児育児に対する知識を得ておくことが大切だと話しました。最後に、「今後親になる男性には、最低でも3カ月から半年は育児休暇・休職を取ってもらいたいが、1カ月でもいいから必ず取得してほしい」と訴えました。

続いて、実際に妊婦体験システム「Mommy Tummy」を使った妊婦体験が行われました。「Mommy Tummy」は、妊婦の身体的負担、精神的負担だけではなく、身体に伝わる胎動や温かさを感じることで喜びも疑似体験することができるシステム。体験者が使用するジャケットには胎児の重さや温かさを表現する水袋や、胎動を表現するバルーンが取り付けられており、妊娠1カ月から10カ月までの妊婦体験を短時間で行うことができます。また、ジャケットを装着した状態で仰向けに寝たり、床に落ちたものを拾ったりすることで、妊婦の身体的な負担も体験。参加者は胎児の重さに驚きながら、妊婦の身に起きる変化を体感しました。
また、新生児体験システム「Crying Baby」の展示も実施されました。「Crying Baby」は新生児と同じタイミングでミルクやオムツ替えを求めて泣き出しますが、泣き声を止める電源ボタンなどがないので、ずっとあやし続けて泣き止ませるしかありません。参加者は、なかなか泣き止まない「Crying Baby」に戸惑いながら、新生児育児の厳しさに触れました。

まずはジャケットを装着
現在の胎児の大きさを模型で提示
妊娠月数ごとの胎児の変化を解説
ただ仰向けに寝るだけでつらい
床に落ちたものを拾うのも一苦労
泣き止むまであやし続けます

また、妊婦体験と並行して、参加者による座談会も開催されました。初めて妊娠・出産を経験する参加者からは、育児休暇・休職の期間や、出産・育児のために準備したもの、あると便利なものなどの質問がありました。また、座談会にはソニーピープルソリューションズ(株)健康開発部の助産師と保健師も参加し、出産前後の参考資料の配布や妊婦の健康に関する疑問・不安についてアドバイスを行いました。

今回の妊婦体験について、参加者からは「相手の気持ちや身体的な負担を理解することはとても大切だと思った」、「移動や動作が思った以上に大変で、もっと妊婦中の方への配慮が必要だと感じた」、「脆くて儚いものをお腹に抱えて生活することの危うさを垣間見ることができた」という感想が聞かれました。また、座談会については「先輩の体験談や、専門家である助産師のアドバイスが聞けてよかった」といった声が寄せられました。

(2) 社内コミュニティ:パパコミュニティ

ソニーグループには、有志コミュニティ「ソニーママのつながり会」があり、育児と仕事を両立する女性社員が多く参加しています。
このたび、子育て中の男性社員やパートナーが妊娠している社員を中心としたネットワークづくりと、いつでも誰でも相談できる場をつくることを目的に、有志によるオンラインコミュニティ「パパコミュニティ」を開設しました。コミュニティには情報シェアコーナーが設けられており、ファミリーカーに必要な機能や子どもを撮影するために最適なカメラなど、子育て中に知りたい情報が交換されています。また、質問箱では、ワーク・ライフ・バランスをいかに保つかなどさまざまな悩みが相談されています。今後、このコミュニティ内での議論が深まり、新たな視点の広がりや、将来的に施策への提言がもたらされることなどが期待されます。

ソニーグループでは、社員とそのパートナーの誰もが主体的に育児に取り組み、自分の意思でキャリアを築ける環境が得られるよう、これからもさまざまな施策を通して支援していきます。