SONY

感動を創り、感動を拡げる
— CES® 2023 プレスカンファレンス —

2023年1月5日(米国太平洋時間)、ラスベガスで「CES® 2023」が開幕しました。それに先立ち開催したソニーのプレスカンファレンスでは、CEOの吉田憲一郎が、最新のテクノロジーや製品、コンテンツを紹介し、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というソニーのPurpose(存在意義)の推進には感動をつくりだすクリエイターとの協業が欠かせないと述べました。
さらに、エンタテインメントの本質は時間や空間を共有する「ライブ」であり、ソニーは、メタバースやモビリティの領域で現実世界と仮想空間をつなげることにテクノロジーで貢献していくと説明しました。また、映画、ゲーム、音楽、スポーツ、そして、モビリティ領域からの多様なスピーカーが、テクノロジーで広がるエンタテインメントの可能性について語りました。今回のブログではプレスカンファレンスの模様を、ダイジェスト映像とともにご紹介します。

責任ある持続可能なビジョン

「2022年は、不透明ではありましたが、誰もが日常への回帰を望んだ年でもありました。変わらなかったのは、『喜び』、『好奇心』、そして『驚き』を感じる瞬間、つまり心が動き、人とつながる瞬間を体験したいという普遍的な願いです。その瞬間を、ソニーでは『感動』と呼んでいます」—— 。ラスベガス現地で開催された「CES® 2023」。プレスカンファレンスに登壇したCEO の吉田は、スピーチ冒頭で人々の「感動」したいという動機は不変であると述べました。

吉田は、ソニーの経営の方向性である「人に近づく」に触れたうえで、人だけでなく、地球にも焦点を当てることの重要性に言及。「宇宙の視点」から地球環境や社会課題について考えるきっかけを提供するプロジェクト「STAR SPHERE(スタースフィア)」を紹介しました。遠隔での操作・撮影が可能なカメラを搭載した超小型人工衛星「EYE(アイ)」は今年の1月3日(米国東部時間)に打ち上げに成功しました。

クリエイターを支える

「『世界を感動で満たす』という私たちのPurpose(存在意義)を推進するには、クリエイターとのコラボレーションが欠かせません。クリエイターのアイデア、ビジョン、ストーリーは人々の心を動かすからです。」 —— 。吉田はソニーのPurpose(存在意義)の推進において、感動をつくりだすクリエイターとの協業の重要性に言及。クリエイターの創作活動を支える製品として、映像作品の可能性を引き出し、感動を生み出すCMOSイメージセンサー、撮影監督とともに開発し、『トップガン2マーヴェリック』をはじめとする大ヒット作にも使用されたデジタルシネマカメラVENICE、汎用性の高い遠隔操作により映像表現の可能性を広げる『FR7』を紹介しました。また、クリエイターを支える取り組みとして、Sony Innovation StudiosやPIXOMONDOによるバーチャルプロダクションソリューションを取り上げました。さらに、ソニーの映画事業におけるクリエイターの可能性を引き出す取り組みについて、Tri-Starの社長のニコル・ブラウンがビデオメッセージを寄せました。

続いて、PlayStation®向けゲームタイトルのIPを活用した取り組みとして、PlayStation Productions最新作の映画『グランツーリスモ』(今年秋公開予定)を紹介。「グランツーリスモ」シリーズをプロデュースしたゲームクリエイターの山内一典からのビデオメッセージを披露したのち、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント モーション・ピクチャー・グループ プレジデントのサンフォード・パニッチ、PlayStation Productions統括責任者のアサド・キジルバッシュ、映画監督を務めるニール・ブロムカンプ氏が登壇。作品の見どころと、製作におけるソニーの最先端テクノロジーの活用について話しました。

ライブの可能性を広げるクリエイティブなビジョン

「観客は『ライブ』イベントを大切にしています」、「物理的にその場にいなくても没入できるような体験を可能にし、観客のライブ体験の幅を広げたいと考えています」 —— 。再びステージに上がった吉田は、エンタテインメントの本質が「ライブ」にあることを述べました。
また、リル・ナズ・X(Lil Nas X)をはじめとする、ゲーム、音楽、スポーツの各分野で活躍するクリエイターが映像で登場。バーチャル世界におけるエンタテインメント体験の進化をどのように思い描いているかをそれぞれ語りました。
吉田は、「スポーツは究極のライブ体験」であると定義したうえで、マンチェスター・シティ・フットボール・クラブ(Manchester City Football Club)とのファンエンゲージメントの取り組みや、ソニーのグループ会社であるホークアイ イノベーションズ(Hawk-Eye Innovations Ltd.)の技術、ソニーグループの一員となったビヨンドスポーツ(Beyond Sports B.V.)におけるAIを活用したデータ解析と可視化技術を紹介。さらに、バーチャル空間における新たな技術として、現実世界を立体的な空間映像で再現する「空間再現ディスプレイ」や、クリエイターの自由度の高い表現を支える『mocopi』(モコピ)についても触れました。

続いて、ソニー・インタラクティブエンタテインメント 社長 兼 CEOのジム・ライアンが、これまでにない体験とゲームの世界への没入感を実現するPlayStation®5(以下、PS5™)向け次世代バーチャルリアリティシステム『PlayStation®VR2』(以下、PS VR2)のゲームタイトルを紹介。『グランツーリスモ7』がPS VR2向けに無償アップグレードされること、また『Beat Saber』がPS VR2向けタイトルとして発売されることを発表しました。さらに、ゲームのアクセシビリティをさらに一歩前進させるPS5™用のアクセシビリティコントローラーキット「Project Leonardo」を公開しました。

移動空間を感動空間へ

「メタバースは、人と人とがつながる新しい空間です。コンピューティングとネットワーク技術の進歩によって生まれた空間ともいえます。また、モビリティについても、これらの技術の進歩により、進化した空間の創造が可能になります。すなわち、移動空間が感動空間になっていきます」 ——。 再び登壇した吉田は、モビリティ事業について、ソフトウェアを軸にしたモビリティプラットフォームの開発が本田技研工業との協業によって、一層加速していると述べました。続いて、ソニー・ホンダモビリティの水野泰秀 会長 兼CEOが登壇し、新ブランド「AFEELA(アフィーラ)」を発表。人とモビリティの新たな関係を提案するプロトタイプを初披露しました。また、水野は新たなパートナーとして、Epic Games CTOのキム・レブレリ氏を紹介。キム氏は、新たなモビリティ体験におけるゲームエンジン活用の重要性を語りました。

再びステージに戻った吉田は、モビリティ事業の礎となるソフトウェアで定義された製品として、aiboとAirpeakについて触れました。そして、ソニーのモビリティに向けたロードマップの中で重要なマイルストーンの達成を支えてきたパートナーとしてクアルコムを紹介。登壇したクアルコム 社長 兼 CEOクリスティアーノ・アモン氏は、これまでのソニーとの幅広いコラボレーションについて触れたうえで、最先端の自動車関連技術を活用し、ソニーとともに自動車と車内体験の未来を生み出すことへの期待感を述べました。