SONY

社会や環境に関わる多様な取り組みを紹介する
「サステナビリティ説明会」開催

9月14日、「2023年度 ソニーグループ サステナビリティ説明会」を品川本社で開催しました。
6回目の今回は、「感動」の社会的意義、グローバルな社会課題と環境に関する取り組み、インクルーシブな社会への貢献について紹介しました。会場には、メディア、投資家・アナリストが来場し、イベントの模様をまたインターネット配信で同時中継しました。

ライブ配信の全編動画は、投資家向け情報サイトからご覧いただけます。

「感動」が持つ社会的意義

ソニーグループ株式会社 会長 CEOの吉田は、ソニーは「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose (存在意義) のもと、「感動」を創り、それを世界に届けることに取り組んでいると説明。人々の生活に豊かさをもたらすエンタテインメントには、分断ではなく、人と人を結びつける力がある、と「感動」の社会的意義を提示しました。

また、「感動」を生むクリエイティビティに限界はなく、テクノロジーを通じてクリエイターを多面的に支え、インクルーシブな社会の実現にも貢献したいと説明。「『感動』が持つ社会的意義を世の中に広めるため、約11万人の社員と共に、グループの持続的な成長に加え、社会価値を創出していきたい」と述べました。

多岐にわたるサステナビリティの取り組み

続いて、サステナビリティ担当役員の神戸と、サステナビリティ推進部 シニアゼネラルマネジャーのシッピーが登壇。多岐にわたるサステナビリティへの取り組みの中から、グローバルな社会課題への取り組みや、アクセシビリティを含むインクルーシブな社会への貢献、環境に関する取り組みなどについて説明しました。

グローバルな社会課題への取り組み

神戸は、新型コロナウイルスの影響を受けている方々への支援活動を目的とした「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」について、2020年の設立以降、世界中で5,600を超える団体を支援し、総額1億USドルの基金の約80%が使途確定していると説明しました。

新型コロナウイルスの感染拡大後、さまざまな社会課題が深刻化・顕在化しましたが、こうした社会課題への取り組みを支援するため、国際連合児童基金(UNICEF)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、セーブ・ザ・チルドレンと3年間のパートナーシップを締結し、約1,500万USドルを拠出することを発表しました。

また、社会正義と人権保護に取り組む団体の支援とダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進を目的とした「Global Social Justice Fund」については、2020年の設立以降、9つの地域と70か国以上で500を超える団体を支援していると説明。基金の総額1億USドルの約95%の使途が確定していますが、今後も長期視点で支援活動を継続していくと発表しました。

インクルーシブな社会への貢献

続いて、シッピーは、アクセシビリティの向上を通じてさまざまなニーズに応える取り組みや、多様な人材が活躍できる社会づくりへの支援など、ソニーのインクルーシブな社会への貢献について紹介しました。

ソニーでは、「誰もが感動を分かち合える未来を、イノベーションの力で。」をテーマにグループ全体でアクセシビリティを推進しています。多様なユーザーのニーズを理解し生かすため、当事者と共に商品・サービスを検討し、その声を反映するインクルーシブデザインを、2025年度までに製品の商品化プロセスに取り入れていくと述べました。また、障がいのある人のインクルージョンに焦点を当てた、世界経済フォーラムのイニシアティブ「The Valuable 500」の日本国内唯一のアイコニック・リーダーとして、障がいのある人たちの活躍推進に取り組んでいると説明しました。

また、エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野の取り組みも紹介。ソニー株式会社 副社長の木井が、これまで1,000名以上が受講したインクルーシブデザインの社員研修について触れました。同イメージングエンタテインメント事業部 事業部長の大島は、新商品のフルサイズミラーレス一眼カメラ『α7C II 』などに搭載された「音声読み上げ機能」やメニューの「拡大表示機能」と、ロービジョンの方々の“見えづらい”を“見える”に変える、世界初の網膜投影カメラキット(DSC-HX99 RNV kit)を紹介しました。

さらに、「The Valuable 500」 の創設者であり、ご自身も視覚障がい者でもあるキャロライン・ケーシーさんからの、以下のようなメッセージも紹介しました。

「今まで見ることができなかった風景を見ることができて、またカメラを持ちたくなりました」
「先天的な視覚障がい者だけでなく、後天的に視力が低下している方や子どもたちにも興味を持っていただけるのではないでしょうか」
「インクルーシブなビジネスとイノベーションを通じた、インクルーシブな社会の実現に向けて、ソニーには非常に期待しています」

また、ゲーム&ネットワークサービス分野については、PlayStation®5のコンソール、ゲームタイトル、PlayStation®5用アクセシビリティコントローラーキット「Access™コントローラー」などの取り組みを、社員やパートナーのメッセージを交えながら紹介しました。

その後シッピーは、多様な人材が活躍できるインクルーシブな職場や社会の実現を目指し、社内人材の多様化に加え、事業や地域の特性に応じた取り組みを進めていることを説明しました。

米国に本社を置くエンタテインメント事業では、いかなる境遇にある学生でも映画や音楽、ゲーム業界への挑戦が可能となる支援の場を積極的に創出しており、「Global Social Justice Fund」を通じて次のようなクリエイター支援プログラムを実施しています。

・音楽業界の次世代リーダー創出を目指し、世界各地の奨学生に対する支援を行う、Sony Music Groupの「Sony Music Group Global Scholars Program」
・ゲーム業界での活躍を目指す意欲的な黒人および先住民族の大学生を対象に、奨学金、メンタリング、キャリア支援を行う、Sony Interactive Entertainmentの「PlayStation Career Pathways」
・将来有望なクリエイターへ映像分野における活躍の場を提供する、Sony Pictures Entertainmentの「Diverse Directors Program」

ジェンダーギャップが社会課題となっている日本における女性エンジニアの育成・成長支援を目的とした産学連携を通じた社会への貢献の例として、奈良女子大学工学部との取り組みを紹介しました。

また、ソニー・太陽株式会社やソニー希望・光株式会社では、さまざまな障がいのある社員が個性やスキルを生かして活躍していることに触れ、雇用ノウハウをグループ全体に広げ、設備のアクセシビリティ対応やインクルーシブな職場環境の醸成を行っていると説明しました。

環境に関する取り組み

最後に神戸から、「責任」と「貢献」の二軸で推進している、環境に関する取り組みについてお話しました。2010年に発表した長期環境計画「Road to Zero」に基づき、「気候変動」「資源」「化学物質」「生物多様性」の4つの視点で、2050年を達成目標年として環境負荷ゼロにすることを目指して取り組んできたこと、その中でも喫緊の課題である気候変動への対応については、温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロの達成目標年の10年前倒しを昨年発表したことにも触れました。

その上で、ソニーグループのGHG排出量の約半分を占める製品の電力消費について、削減を継続的に進めていると述べました。事業所の再生可能エネルギー(再エネ)導入についても、太陽光発電設備の導入や再エネ電力の購入、再エネ証書の利用等を進めていると説明。また、主要なサプライヤーの事業所の購入電力使用に伴うGHG排出量を2030年までにネットゼロにすることを目指すと述べました。

また、資源循環に関する取り組みについても説明。今年度中に、ET&S分野で新規設計する小型製品のプラスチック包装材の全廃を達成する見込みであることに触れました。さらに、投資を通じた環境への貢献として、2020年に創設したコーポレートベンチャーキャピタル「Sony Innovation Fund:Environment」の進捗を紹介。現在までにスタートアップ企業6社に約3億円の出資を実行していることや、出資先の企業が開発しているバイオマス梱包材について、ソニー製品への利用について検証を始めたことを紹介しました。

ソニーは、この数年、サステナビリティを経営戦略に統合し、各事業の活動においてサステナビリティを浸透させることに注力してきました。今後も多様なステークホルダーの皆さまとの対話を重視し、サステナビリティの取り組みを強化していきます。