SONY

プロジェクトメンバーの声

プロジェクトアドバイザー

吉村司

アフリカの子どもたちにとってサッカーは将来の夢や希望につながる特別なもの。彼らのために私たちソニーが何かできることはないかと、社内のサッカー好きが集まり、業務の垣根を超えて取り組んだのが今回のプロジェクトです。ソニーがやるならソニーの製品と技術を駆使したプロジェクトにしたいという思いを胸に、メンバー全員で試行錯誤をくり返してきました。今回のパブリックビューイングを観て感動した子どもたちがオリジナルボールでサッカーの練習に励み、その中から一流のサッカー選手が誕生する……。そんな日がくることを信じながら、プロジェクト遂行にメンバー全員一丸となって取り組みたいと思っています。

プロジェクト推進メンバー

中西吉洋

夢と感動を与えてくれるサッカーの醍醐味を、私たちソニーが持っている“映像の力”でアフリカの人たちに届けたい。その思いから『パブリックビューイング in Africa』は始まりました。2009年のトライアルでの経験を生かし、突然の大雨や停電などの現地事情を踏まえて改良を重ねた機材も準備万端。200インチの大型スクリーンに映し出される映像と、特別仕様のスピーカーからの大音響はかなりの迫力だと思います。自国のチームが出場する試合では子どもも大人もかなり熱くなるんじゃないでしょうか。

機材開発スタッフの声

機材システム構成担当

柴山隆洋

“オールソニー”でいこう!
このプロジェクトでは、私は機材に関するシステム構成と特注品設計の取りまとめを担当してきました。2009年6月のトライアルでの経験を踏まえ、今回こだわったのは「すべて、ソニーの製品でシステムを構成しよう!」ということ。そのために、発売前の機材を急ピッチで準備したり、突然の雨や停電といった現地事情に合わせた製品カスタマイズを行ったり、様々な苦労がありました。でも、参加メンバーをはじめ大勢の社員の協力のおかげでプロジェクターからスピーカー、オールインワンライブスイッチャーまで、ほぼすべての機材をソニー製品でそろえることができました。
ソニー社員が一丸となった
ソニー社員が一丸となったこのプロジェクトは「サッカーを通じてアフリカの子どもたちに夢や希望を届けたい!」という、社員の熱意からスタートしました。2010年6月に行われる本番に向けて、普段は異なる分野の仕事をしている社員たちが、お互いの専門的な知識や技術を持ち寄って話し合い、協力し合って、本番に向けての準備をしてきました。サッカーは人々をつなげるスポーツといわれていますが、まさにソニーという会社の中でも社員同士をつなげてくれました。
ゴールではなく、未来への通過点
ソニーは映像でエンターテインメントの楽しさを伝えることを是とする会社です。そのソニーが誇る設計の資産や機材をフル活用して行うパブリックビューイングは、とてもソニーらしい社会貢献活動だと言えるのではないでしょうか。私は、今回のプロジェクトはゴールではなく通過点だと思っています。今後も、何かしらの社会貢献活動につながっていくだろうし、逆につなげていかなければならないと思います。これからもソニーから、もっともっと進化した素晴らしい製品が生まれているはずです。それらを使って、より多くの子どもたちにパブリックビューイングを楽しんでもらうとか、あるいは全く別の活動に役立てるとか、可能性はいろいろあると思います。まずは今回のパブリックビューイングを無事に成功させて、未来へとつなげたいと思っています。

プロジェクター企画担当

沼田拓也

小型&高輝度なプロジェクター
スクリーンに映像を映し出すプロジェクターとして、今回使用するのが「VPL-FW41」です。2009年3月に市場に出たもので、大学の講堂や企業の会議室などで使われることを想定し企画しました。特長は輝度が高く明るい映像が映し出せることと、当時、徐々に出始めたワイド型の映像を映し出せるプロジェクターだということ。パブリックビューイングの会場は広場や体育館。そこに掲げた200インチの大画面で大人数が観戦するとなると、プロジェクター自体にそれなりの明るさがないとスクリーンには暗く映ってしまいます。しかも、ワイド型の映像も映し出したい。その点を考えると、今回のプロジェクトに「VPL-FW41」はまさに適役だと思います。
“ナンバー1”を目指して開発
「VPL-FW41」を企画したのは、テレビ同様プロジェクターも4:3から横長のワイド型が徐々に出始めた頃で、市場の要望に応えるべく、非常に急ピッチで仕上げなければなりませんでした。もちろん、ソニーとしては常にナンバー1を目指したい、その思いを胸に設計の人たちとぶつかり合い、協力し合いながら製作に取り組んだ記憶があります。おかげで発売当初はこのクラスのプロジェクターとしてはナンバー1の輝度でした。200インチの大画面に高解像度の映像を流すのは、カメルーンやガーナでは珍しいことだと思います。テレビ普及率が低く、ましてやワイドテレビはまだまだ入手困難なアフリカの地方都市が主な会場ですから、迫力ある美しい映像はかなりのインパクトなのではないでしょうか。
プロジェクトに運命を感じる
今回、僕はガーナでのプロジェクトに参加します。実は独身時代からアフリカへは何度か足を運んでいて、今回のガーナで9カ国目。ボランティア経験もある上に、僕が商品企画を手掛けたプロジェクターが使われるということもあって、このプロジェクトには運命的なものを感じています。現地の子どもたちは本当に無垢。彼らの真っ白な心や何も疑わない澄んだ目は何物にも代えがたいものだと思います。そんな彼らがパブリックビューイングを見ることで「こういうこともできるんだ!」と夢や希望を持ってくれたら。そして、サッカーだけでなくいろんな分野で活躍する人材に育つ上での一つのターニングポイントになったら、すごくうれしいですね。

プロジェクター企画担当

松山典弘

パーツからソニーで開発
「VPL-FW41」を設計しはじめた当時は、まさかアフリカのフィールドで使用するとは思ってもいませんでした。ですが、輝度の高さや持ち運びのしやすさ、他社同等製品に比べて長寿命なフィルターを使っていたり、ある程度の防水加工を施したり、アフリカでのハードな使用にも十分耐えられるはずです。今回のパブリックビューイングではずいぶん活躍してくれるのではないでしょうか。このプロジェクターのもう一つの特長は多くのパーツがソニー製だということです。液晶パネルをはじめ、キーとなる部品を自社で調達できるのがソニーの強みです。その点を生かした「VPL-FW41」は、まさに“ナンバー1”になるべく開発されたプロジェクターだと思います。
チェックルームが“アフリカ部屋”に
プロジェクターの設計に携わっている私たちは、日頃から大きなスクリーンを使って画質のチェックをしなければなりません。なので、社内には大きなチェックルームがあります。今回のプロジェクトの事前チェックはその部屋で行われました。パブリックビューイングに使う全ての機材の接続確認や、その後のスピーカーの改修作業も行われていたので、部屋は一時期まさに“アフリカ部屋” (笑)。普段は映像を映すだけで、音は全くしない部屋なのに、大きな音が鳴り響くので何事かと見物にやってきた社員もいました。
子を送り出す親のような気持ちで
残念ながら今回私は現地には行かない、居残り組。でも、アフリカでのパブリックビューイングに、自分が設計した製品が出て行くということなので、今回のパブリックビューイングには特別なものを感じています。製品には僕なりに自信を持っています。今回のプロジェクトにはすごく向いていると思っているので、気持ちとしては子どもを送り出す親のような気持ちですね。「しっかりやってこいよ!」「壊れるんじゃねぇぞ!」と、心の中で思っています。

オールインワンライブスイッチャー設計担当

山下真一郎

オールインワン機材
通称「エニキャス(エニーキャストステーション)」と呼んでいるこのオールインワンライブスイッチャーは、ビデオスイッチャーとオーディオミキサー、そしてソースモニターとしての機能をコンパクトにまとめたもので、オールインワンな機材としてはこれまでにはなく新しいスタイルの多機能製品です。2005年から販売が開始され、イベントやライブ会場、学校や企業、政府機関の会議中継など、幅広い使われ方をしています。通常であれば、複数のモニターを確認しながら行わなければいけない操作もこれ一台でできるため、会場から会場への移動距離が長い今回のようなイベントにはぴったりだと思います。しかも、防水と移動時の耐久性を考え、「エニキャス」とブルーレイディスクプレイヤーを一緒に収納するジェラルミンケースも特注し、多少の雨ならそのまま操作できるとあって、心強いのではないでしょうか。
イベント進行がスマートに
カメラやマイクロフォンからのリアルタイムの映像と音声、そして衛星から受信した試合の放送映像を切り替えながら、スクリーンに映し出すことができるのはもちろん、かんたんなテロップを入れる作業などもできます。昨年のトライアルでの経験を踏まえ、画像や音声のクオリティだけでなく、イベントのクオリティも高いものを目指したいということで「エニキャス」が起用されました。多機能であるため操作マニュアルは300ページ近くにも及ぶのですが、ある程度機械が好きな人なら、操作すればするほどいろんなことができることがわかってどんどん面白くなってくると思います。今回同行する社員からも「エニキャス」を操作してみたい、という声が聞こえてくるほどです。
人と人を「つなげる」ために
偶然でしょうか、最近はサッカー関連のイベントで「エニキャス」が活躍する機会が増えています。私は現地には行くことはできませんが、代わりに、私が設計した「エニキャス」がカメルーンやガーナで活躍すると思うとちょっとうれしいですね。「エニキャス」はカメラやマイク、出力先のプロジェクターやスピーカーなどの機器同士をつなげる機材です。各機器をつなぎ、素晴らしい映像や楽しいイベントをアフリカの人たちに届けることによって、アフリカや日本など大勢の人々がつながる、そんな風になったらいいなぁと思っています。

スピーカーシステム担当

井上滋

新製品で作った特注スピーカーシステム
今回のパブリックビューイングで使用するスピーカーは、もともとはセキュリティ用の製品で、通称 “オイコラスピーカー”と呼ばれています。屋外にカメラと共に設置して、万一のことが起こりそうなときに「オイコラ!」と警告を出して犯罪を未然に防ぐ目的で使用されるものなんです。ソニーのプロオーディオから久しぶりに出す業務用スピーカーなので何とかこれを活用できないだろうかということで、パブリックビューイング用に特別にシステム設計をしました。そもそもの用途が威嚇用で人の声にフォーカスしたスピーカーなので、実況中継にはもってこい。より遠くにいる人にまで音がよく聞こえるようにスピーカーから拡がる音に直進性を持たせるべく4つのスピーカーを縦に連結しアレイを組んでいます。また本来屋外に長期間設置されるものなので、日差しや雨、風、ホコリにはめっぽう強い。アフリカの自然環境の中でも確実性が求められる今回のプロジェクトにはぴったりだと思っています。
タイトなスケジュールを乗り越えて
実は今回、スケジュールがかなりタイトな上に、量産前の製品だったためシステムへの採用はかなりのチャレンジ。まずはスピーカー32個をそろえる手配から大変でした。またセキュリティ用のスピーカーは「AC24V」という特殊なタイプなので変換器は必要だし、しかもスピーカーを連結しているので分配器も必要だった。その上、いざ音を出してみたら分配時のアースがうまくいかずノイズがひどくて大慌て。色々と問題が見つかり、32個のスピーカーを全部バラして改修するハメになりました。32個すべてのスピーカーの改修作業はかなり大変で、部長自らドライバーを握って作業にあたったほどです(笑)。台数が多いので動作確認だけでも一苦労。本当にギリギリでしたがなんとか発送前日までに全ての問題を解決できました。手配から発送までとにかく色々と大変でしたが、関係する皆さんの強力なサポートに助けられ、なんとか無事に乗り切ることができました。
子どもたちの笑顔が見たい!
人には生きる上での夢や希望、楽しみが大切。その点は、さまざまなAV機器やコンテンツで世界にエンターテイメントを伝えるソニーに貢献できることではないでしょうか。今回のプロジェクトに関わることができて、僕自身とても幸せな気持ちです。子どもたちの笑顔は万国共通のうれしいもの。大会本番中、僕はガーナのプロジェクトに参加しますが、時間を見つけてできるだけ現地の子どもたちと一緒に遊んだり、触れ合ったりしたいと思っています。

パブリックビューイングの機材構成

パブリックビューイングの機材構成
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