SONY

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Feature Design

Definitive Outline

SRS-X9の写真

音質とデザインを融合させる

空間から切り出されたかのような、シンプルかつミニマルな造形。
美しさへのこだわりと、音質への配慮が
すべてのディテールに隠されています。
空気感まで伝えられる高音質ワイヤレススピーカーが、
これまでになかった音楽体験を実現します。

Industrial Design

〈 SRS-X9 / X7 / X5 / X3 〉

2つの役割を持つアウトライン

「blend in(調和)」というキーワードから導き出した、空間から音の箱を切り取るという発想を実際の形に導く際、特に気を遣ったのは面と面をつなぐ稜線のディテールでした。商品を最も印象づける「Definitive Outline」と呼ぶフレームが生まれたのも、その稜線のディテールに必然性からくるデザインを求めた結果です。このフレームには2つの必然性があります。1つめは切り取られた音の輪郭を表現し、音の空間を定義づけるデザイン的な必然性です。

そして2つめは、音響的な必然性。X9の正面と上面に配したスーパートゥイーターは音の指向性が高く、角が立ったままでは音が干渉してしまいます。角を落としたこのフレームを入れることで音の干渉を防ぎ、音が空間に回り込む効果を綿密に作りこんでいます。空間との調和を目指しつつ、音による体験そのものを重視したデザイン。ソニーのワイヤレススピーカーの「原型」となるデザインがこうして誕生しました。

インテリアを映し出した3つの素材

空間との調和をさらに高めているのが、3面それぞれに異なる素材を用いた外観です。その発想の原点は、居住空間を構成するインテリアでした。ガラスやアルミ、ステンレスなど、さまざまな素材から構成されるインテリアがそのままスピーカーに映り込んだかのように表現し、自然に空間と調和するデザインを実現しています。素材のもつ質感を美しく表現するために、天面はガラス、側面はつや消しのアルミ、そして前面のスピーカーグリル部にはステンレスを採用。異なる素材でありながら質感や色合いを吟味することで、落ち着きのある佇まいを可能にしました。

高音質を生むディテールへの配慮

原音に迫る音質を再現できるハイレゾ音源。X9は、その音質に徹底的にこだわったモデルです。ハイエンドオーディオの世界では、フロントグリルを外してサウンドを楽しむのが一般的です。そのためフロントグリルの脱着は最初からの条件でした。しかし従来の脱着方法では、その機構からフロントグリルが厚くなり、フレームの外側に飛び出してしまいます。これでは空間を切り取ったようなシンプルな造形にはなりません。そこで設計チームと試行錯誤を重ね、箱の中にグリルが平滑に収まるしくみを開発。剛性の高いステンレス素材を0.4mmという薄さに仕上げ、グリルをマグネットで固定し共振を抑えられるようにしました。さらにグリルを外した状態でも美しく見えるようスピーカーユニットを最適なバランスで配置し、バッフル面の樹脂の質感にまでこだわるなど、きめ細やかに仕上げています。

SRS-X9の天面に浮かび上がるアイコンの写真

浮かび上がるアイコン

空間と調和するデザインは、その佇まいだけではありません。X9では、使用頻度の低い機能キーなどを、普段はガラスの中に消し込めるようにデザイン。手をかざしたときにだけイルミネーションが点灯し、アイコンが浮かび上がるようにしています。物理的な操作キーをなくすことでメカニカルな要素を払拭し、空間との親和性を高めるとともに、プロダクトとしての先進性も表現しています。

「完璧なプロポーションを
追求する」

今回のプロジェクトでは、すべてのワイヤレススピーカーに共通する明確で強いデザイン言語をつくり出したいと考えていました。そうして生まれたのが、空間から切り取った音の箱というとてもシンプルな造形です。造形がピュアであればあるほど、プロポーションが重要になってきます。完璧なプロポーションを求めて何度も立体検証することで、ソリッドな印象に仕上がったと思います。

デザイナー Goetzen

SRS-X3/X5/X7の写真 SRS-X3/X5/X7の写真

ポータブルに最適化されたデザイン

X7とX5、そしてX3は同じデザインコンセプトのもと、ポータビリティーを重視してデザインしたモデルです。家の中や屋外への持ち運びを考慮し、バッテリーを内蔵しています。シンプルな造形だからこそ、そのプロポーションがプロダクトのイメージを左右します。そこで、それぞれの使用シーンを想定しながらモックアップを何度もつくり、最適なバランスを追求。X7は明るい室内やシックなインテリアの雰囲気にもマッチするようにブラックとホワイトを用意。さらに小型化しパーソナルな用途を想定したX5では、レッドを追加しています。X3はさらに小型で、持ち歩いたりアウトドアでの使用を想定しています。そのため、上面と両側面に丈夫で柔らかな手触りの素材になめらかなマット仕上げを施しています。どのモデルもプロポーション、素材、色のバランスを突き詰め、どのようなシーンにも調和するデザインへと昇華させています。

「空間から音が生まれる感覚」

X9は、脱着式のスピーカーグリルを実現しつつ、美しいプロポーションを保つために妥協せずに細部まで綿密にデザインされています。グリルを外すとより一層クリアな音質で音を楽しめます。もちろんX7やX5、X3も音質にこだわっているので、実際に聴いていただければ、空間から音が生まれてくるような感覚がわかると思います。これらのワイヤレススピーカーで、音楽の楽しみかたはもっと広がるはずです。

デザイナー 栗原

ワイヤレススピーカーの「原型」への探求から生まれた「Definitive Outline」。
空間と調和するミニマルな造形と、研ぎ澄まされたサウンドは、
ワイヤレスミュージック
という新たな音楽体験を創造します。