SONY

常識を越えた 別次元の性能を 実現できる 未来の 価値創造に 貢献していく ことが自分と R&Dセンター の使命 ソニーグループ R&Dセンターの研究者 阿野 大史のポートレート写真

R&Dメンバーを解き明かす

“見えないものを見る”
次世代熱センサーを創出し、
世界に新しい価値を提供する

阿野 大史

2020年入社
仕事内容:次世代熱センサーの研究開発
専門分野:ナノ材料設計,素子作製プロセス,
熱エンジニアリング

現在の仕事内容は?

材料エンジニアとして
世の中にない
熱センシング技術を
創出すること

コロナ禍においてサーモカメラによる体表面の温度測定が急速に広まり、スマートウォッチ搭載の熱センサーもユーザーの健康管理に活用され始めていますが、私はこれまで以上の情報を取得できる次世代熱センサーの研究開発を進めています。ヘルスケア分野をはじめ、さまざまな産業分野への活用を見据え、熱センサーの性能を跳躍進化させるべく、ナノスケールでの熱設計に取り組み、フォノンエンジニアリングに基づく低熱伝導材料の獲得や、熱シミュレーション計算を駆使した素子構造最適化を検証・追究しています。現状の熱センサーでは検出できない “今まで見えなかったものを見る”次世代の熱センシング技術を確立し、世界に新たな顧客価値を提供することを目指しています。

研究室で実験しているときの写真
大学時代に自分の研究成果を発表しているときの写真

なぜ今の研究分野に?

現在の起点となった、
マイクロ波化学との出会い

今の研究分野に進むきっかけとなったのは、学生時代にマイクロ波化学の研究室に配属されたこと。大学では応用化学を専攻していたのですが、研究室配属の時期にマイクロ波化学という名前を初めて耳にしたのです。そのとき「マイクロ波って電子レンジの電磁場のこと?それを化学にどう応用するのだろうか?」と心が高鳴り、研究室の門を叩いたのがはじまり。担当教授の「化学と電磁気学を融合させた新しい学術領域をともにつくっていこう」という情熱に感化され、私も「ナノ粒子にマイクロ波の熱を与えつつ、その局所温度を分子温度計で測定するとどうなるのか」など自分のアイデアをもとに研究に明け暮れました。その過程で培った、未知の事象を探究したいと思う好奇心と、ナノ材料設計や熱エンジニアリングなどの知見が現在の自分の土台になっていると思います。

ソニーを選んだ理由は?

自分の研究成果を世の中に役立てられるチャンスが多いと感じたから

学部~修士課程の頃は目の前の実験に没頭していましたが、博士課程でアメリカの国立研究所に3ヵ月留学したことをきっかけに価値観がガラリと変わりました。現地でスタートアップのイベントに参加した際、多様な領域のサイエンティストやエンジニアたちが、自らの技術を社会に役立てようと新事業を立ち上げる様子を見て「自分も人に近いところで、持てる技術を世の中のために使いたい」と強く思ったのです。就職活動では化学系・素材系メーカーも複数検討しましたが、その中で惹かれたのがソニーのR&Dセンター。ハードウェアやソフトウェアにとどまらず、新デバイスの創出を目指し、ナノマテリアルの研究活動に注力していたこと。さらに、半導体、エンタテインメント、エレクトロニクス、金融など広範な事業をグループ全体で展開しており、その分、自分の研究成果を世の中に提供できるチャンスが多いと感じたことが入社の決め手になりました。

学生時代のキャンパス(UCバークレー)の写真
学生時代休日の様子(ナパヴァレーへ遠出したとき)の写真
学生時代研究所から見た風景の写真

R&Dセンターのスゴイところは?

事業のプロフェッショナルが
自分の研究に「確度」を
与えてくれること

入社して感銘したのが、R&Dセンター内に電気や機械、ソフトウェア系から人文学系まで多種多様な研究者が在籍していることに加え、ソニーグループの各事業領域にビジネスのプロフェッショナルがいて、彼らとすぐに話せる環境があることです。いま私は次世代熱センサーの研究開発を進めていますが、途中で「数十年先の市場のニーズに合致しているか」「実際に量産できるのか」と研究の現場だけでは判断できないことも多くでてきます。そのようなときに事業領域のマーケティング部門や製造部門の方々にすぐに相談でき、ビジネスの最前線で得た彼らのアドバイスをもらえることは大きなメリット。確度を高めながら研究開発を進められることが、ソニーR&Dセンターに所属する強みのひとつだと思います。

チャレさぽ開会式で司会進行をしているときの写真

この先の目標は?

自分の情熱を信じて、
大胆に研究開発を進めていきたい

私が専門とする材料開発は、センサーの土台となる分野。現在の主流となる素材から、他の素材に変えることで、常識を越えた別次元の性能をも実現できるダイナミズムのある研究領域です。研究成果が社会に大きな影響を与える可能性があり、ビジネスという観点だけでなく、社会全体を見ながら、日々の仕事に向き合っていくことが重要だと考えています。数十年先の人々の豊かな暮らしを深く考察したうえで、自分の夢や情熱を信じて大胆に研究開発を進めること、そして、未来の価値創造に貢献していくことが自分とR&Dセンターの使命だと思っています。

オフィスでの阿野 大史の写真 オフィスでの阿野 大史の写真

研究開発におけるモットーは?

目指すのは「協働エンジニア」

入社以来、R&Dセンターのみならず、ソニーグループの多くの社員と接するなかで、自分の信念を持つ多種多様なこの人材こそ、価値創出の基盤だと感じています。そこで私は社員同士の専門性をつなぎあわせるハブ的な役割の「協働エンジニア」を志向しています。そのためには、今の研究分野で確かな成果を上げ、求心力を持ったエンジニアをなることが必要。この先、私自身も成長しつつ、人と人との化学反応を誘発するような場をつくっていきたいと考えています。

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