R&Dメンバーを解き明かす
2007年入社 理工学研究科卒
仕事内容:エンタテインメント領域におけるシステム&サービスデザイン開発
専門分野:ヒューマンコンピュータインタラクション
なぜ今の研究分野に?
入社当時は、化学・光学・物理の知識を活かして有機ELディスプレイ等のデバイス開発に従事しました。一方で、こういった基礎研究領域ではお客様の手に届くまでに10~15年かかるケースもあります。しだいに、開発した技術や製品を通じて人の心をゆさぶる“タッチポイント”となる部分、つまり、デバイスを使う「人」とそれを取り囲む環境自体を理解したいと考えるようになりました。そして、人と機器の界面を研究する「ヒューマンコンピュータインタラクション」を研究対象にするようになります。ヒューマンコンピュータインタラクションは、人に感動を届けるという軸で、エンタテインメントとも親和性の高い技術です。私自身も、サンマテオにあるソニーのゲーム事業の拠点やカルバーシティにある映画・音楽事業の拠点の一つに身を移し、研究成果の実用化に挑戦してきました。現在はインタラクション研究の延長であるCX(Customer Experience)、EX(Enterprise experience)を加味しながら、R&Dのエンジニアが開発した技術を映画や音楽などのビジネスの現場に導入するアプリケーション開発に取り組んでいます。
この先の目標は?
誰かが人生の幕を閉じるとき、「楽しい人生だった」と思ってもらえる人をひとりでも増やしたい。もしも私が関わったヒューマンコンピュータインタラクションの研究成果が少しでもその役に立てるなら、これほどうれしいことはありません。私には、音楽や映画やゲームをつくる才能やスキルはありませんが、それらを生み出すクリエイターを手助けすることならできる。これからも、さまざまな分野で培ってきた知識やスキルを生かしながら研究開発を通して彼らに新しい技術を提供し続け、人々の喜びに満ちた世界をともに創っていきたいと思っています。
「私を動かす言葉」
これは、アメリカのシンガー・ソングライター、ヴィヴィアン・グリーンの言葉です。私たちが日々行う研究開発は正解が用意されているわけではないので、いつも必ずうまくいくとは限りません。多くの時間や労力を費やしても、さまざまな事情で実を結ばないことも時にはあります。そんなときはこの言葉を思い出して、これも人生を彩るひとつの演出とポジティブに捉え、そのなかで学んだ経験をまた次に生かせばいいじゃないかと、落ち込みそうになる自分を奮い立たせて気持ちを切り替えています。