ソニーのイメージング&センシング・ソリューション(半導体)事業の2020年度入社の社員に聞きました
「1年たってどうですか」
2020年度入社の新卒社員たちは、新型コロナウイルス 感染拡大の影響で、入社後2か月間自宅待機を余儀なくされ、その後も様々な業務がオンラインに変わるなど新しい取り組みの中で1年を過ごしてきました。そのようなイレギュラーな環境の中、昨年度の新入社員はどのような想いで1年間を過ごしてきたのでしょうか。
ソニーのイメージング&センシング・ソリューション(半導体)事業を支えるソニーセミコンダクタソリューションズグループ4社*の2020年度入社社員を対象に、入社後1年を振り返ってみて、どのように感じているかアンケートを実施しました。社内コミュニケーションに着目したアンケートから見えてきた各社や部署での取り組み、課題、今後期待する取り組みについて紹介します。
* イメージセンサーのリーディングカンパニーであるソニーの半導体グループは、本社機能および研究開発と設計を担うソニーセミコンダクタソリューションズ、 量産開発と製造を担うソニーセミコンダクタマニュファクチャリング、 商品設計のソニーLSIデザイン、ファシリティマネジメントサービス事業を担うソニーセミコンダクタエネルギーマネジメントにより構成されています。
【アンケート概要】
実施期間:2021/2/25~3/10
対象者:ソニーセミコンダクタソリューションズ、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング、ソニーLSIデザイン、ソニーセミコンダクタエネルギーマネジメント 2020年度入社社員
直近3カ月の勤務形態は、主に出社(ほぼ毎日出社/週1、2日テレワーク)が49%、主にテレワーク(ほぼ毎日テレワーク/週3、4日テレワーク)が45%、その他(シフト勤務など)が6%という結果でした。
*ソニーでは社員と社員の家族、お客さまをはじめとするステークホルダーの安全確保、感染拡大防止を最優先に対応しており、出勤率は本社(ソニーグループ(株)8割減、国内グループ会社(エレクトロニクス、エンタテインメント、金融事業等)7割減、国内グループ会社(製造事業所等)4割減(2021年5月3週目時点)となっています。
ソニーの印象
入社前にソニー対してどのような印象を持っていたか、また1年たって変化があったかを質問しました。
入社前の印象は、「自由闊達」や「風通しがよい」といったソニーの社風に関するキーワードを挙げた人が34%と最も多く、クリエイティブ・チャレンジを挙げた人も11%いました。また、最先端の技術力をもつ会社や半導体のリーディングカンパニーも15%に上りました。
入社後1年経過しての変化は、「変わらない」方が70%で多数を占めました。
変わった人を対象にどのような印象に変化したかを問う設問では、ポジティブな印象、ネガティブな印象、多様なコメントが寄せられました。ここでは、フリーコメントの一部を掲載しています。
オンラインでのコミュニケーションで
課題に感じること
新型コロナウイルスの影響でオンライン対応が多くなっていますが、コミュニケーションに課題を感じるときはどんなときか、選択肢で問いました。
複数の選択肢を選んだ人が多く、「相手の顔や表情がわからない」が200件以上、「相談するタイミングがわかりづらい」、「誰に相談すればいいのかわからない」との回答もそれぞれ150件以上に上りました。オンラインでのコミュニケーションに複数の課題を感じる新入社員が多数いることが伺えます。
オンラインのコミュニケーションで良かった点
- 場所を選ばずに交流がとれる
- 社内研修講座もオンラインで行われるので、気軽に参加できる*
- チャットでお互いの都合の良い時間に連絡をとることができる
- 顔が見えないこともあるので、話し方に今まで以上に気を付けるようになった
- 大人数の会議でも質問しやすい
*現在年間300以上ある社内研修講座の8割をオンライン化しています。
一方、オンラインコミュニケーションで良かった点についても全体の52%から回答が得られました。時間や場所の制約が小さく、他部署や遠方の人とのコミュニケーションも容易である点を挙げた人が最も多く、コミュニケーションツールの活用で気軽に連絡ができる、情報共有がしやすいなどのメリットを感じている人も多いようです。また、上司や先輩との対面の打ち合わせは緊張するが、オンライン会議だと緊張しないという声もありました。
コミュニケーションの円滑化に
効果的だと感じた取り組み
コミュニケーションの円滑化に効果的だった取り組みとしては、チャットや通話などのコミュニケーションツールの活用が最も多く、ちょっとした時間にコミュニケーションを取ることができる点などが理由として挙げられました。また、研修プログラムという回答も多く、3か月間に渡り行われた半導体グループ合同研修などの取り組みが新入社員間の交流を深めるのに役立ったとの声がありました。上司との1対1の面談では、定期的に枠を設けることでタイムリーな相談、質問ができる、不安を取り除くのに効果的であったなどのコメントが寄せられました。
今後社内で実施してほしい取り組み
コミュニケーションの機会を増やす
- グループ間の垣根を超えた交流の場を設定する事で他グループの事を知ったり、刺激を受けたりしたい
- 他業務の方と業務内容について会話し、共有し合う場を設けてほしい(他工程についても知りたい)
社員の見える化
- メールや各種アカウントのプロフィール画像の設定
- 仕事がオンライン化する中、今誰がボールを持っているかなど現場レベルで業務管理をするツールが必要
ツールの導入・活用拡大
- 気軽に質問できる掲示板などで他部署の人とも交流したい
- 仕事以外でも繋がりたい時に気軽に同志を募れる社内SNS的webサイトが欲しい
対面での交流・社内イベント
- コロナが終息してからでよいので、飲み会やスポーツイベントなどの場を設けてほしい
- オンラインゲーム大会、社内イベント(大規模なランチ会、座談会等)
- 新人が来たらオンライン飲み会を実施してあげたい
今後、社内で取り組んでほしいこととしては、コミュニケーションの機会を増やしてほしいという声が42%を占め、そのうちの76%が雑談や交流会などの気軽なコミュニケーションをしたいと回答しました。次いで、写真設定やプロフィール公開などの社員の見える化を求める声、業務の見える化、掲示板などのツールの導入や活用拡大が挙げられました。また対面での交流(新型コロナウイルス終息後)や社内イベントを望む声も寄せられました。
1年たっての感想・意見・今後の抱負
- 自分たちも意見を出してよりよいコミュニケーションがは変える環境を作りたいです
- もっと社内コミュニケーションとっていくぞ!!
- 今後はリモート環境をデメリットとして感じるだけではなく、メリットとして活用していきたい
- 例年の1年目と同等のスキルが身についているのか不安に感じる事もあるが、環境を言い訳にせずスキルアップに努めたい
- オンラインネイティブ世代として、先輩社員を巻き込んで現状を維持・向上させていきたい
- 2年目は自立を目標に、何でも主体的に行動していきます!
- 新入社員がオンラインチャットで質問しやすい雰囲気を取れる先輩社員になれるよう取り組んでいきたい
- 来年度入社する新入社員に在宅勤務に戸惑いを感じる人も多いと思うので、そういった人が快く働けるようにサポートできたらと思う
まとめ
コロナ禍の新入社員アンケート結果からは、顔や業務内容が見えにくい社員とのコミュニケーションに複数の課題を感じていることがわかりました。社内コミュニケーションの円滑化のために期待する取り組みとしては、交流の機会を増やすこと、顔写真、プロフィール公開などの社員の見える化を望む声が多く聞かれました。一方、リモートワークでは、遠方や他部署とのコミュニケーションが取りやすい、チャットや通話で空き時間にコミュニケーションができるといったメリットを感じている人も多く、リモートワーク環境をメリットとして活用していきたい、働き方を進化させていきたい、自身の経験をもとに2021年度の新入社員をサポートしたいと前向きに捉える新入社員の姿も多く見受けられました。
今回、新入社員がコロナ禍においてどのように感じているのか、課題などについて明らかにしましたが、今後も先行き不透明な中でも前に進もうとする姿勢、取り組みを「新入社員のリアル」としてお届けできればと思います。