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みんなで知っておきたい! 不妊治療の「今」とキャリア形成

Culture

先進国のなかでもジェンダーギャップが大きいといわれている日本。誰もが自分らしいキャリアを築ける社会であることが求められるなか、妊娠・出産は働き方に影響をおよぼすライフイベントとして大きな関心事となっています。さらに、近年、晩婚化や晩産化が進み、ますます身近になっているのが「不妊治療」です。
ソニーグループ(以下ソニー)では、産前・産後、育児はもちろん、不妊治療と仕事との両立をサポートするための制度「Symphony Plan(シンフォニー・プラン)」を2020年4月に新設しました。多様なバックグラウンドを持つ社員が、キャリアを途切れさせることなく、個々の力を発揮できる制度・環境を整えると同時に、一人ひとりの状況をみんなで知って考える機会をつくっています。
その一環として今年開催されたのが、不妊治療の経験が豊富な医師を招いての社員向けオンラインセミナー「不妊治療について考えてみませんか?」。社員も登壇して実体験の共有も行われました。
今回は、不妊治療の現状や課題、治療と仕事の両立を支えるソニーの制度、セミナーの内容などをご紹介します。

みんなで知識をアップデートしよう!不妊治療の今

働く女性をターゲットにしたメディアでも取り上げられ、世の中でも関心度の高いテーマとなっている、不妊治療。
不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は、約18.2%。約5.5組に1組に経験があります。また、不妊を心配したことがある夫婦は約35%。3組に1組は、不妊について何らかの不安や悩みを抱えた経験があることが分かります。

※厚生労働省「不妊治療と仕事の両立サポートブック」をもとに作成
(出典:国立社会保障・人口問題研究所「2002年社会保障・人口問題基本調査」「2005年社会保障・人口問題基本調査」
「2010年社会保障・人口問題基本調査」「2015年社会保障・人口問題基本調査」)

このように、不妊治療は決して特別なことではなく、誰にとっても身近なテーマであることがわかります。仕事との両立を叶えるためにも、何が求められているのか、現状を見ていきましょう。

不妊治療と仕事の両立は……どうする?

不妊治療をしたことがある(または予定している)労働者の中で、「仕事と両立している(または両立を考えている)」人は全体の53.2%。一方、両立できずに仕事を辞めた人(15.8%)、治療をやめた人(10.9%)、雇用形態を変えた人(7.9%)を合わせると34.7%でした。

※厚生労働省「不妊治療と仕事の両立サポートブック」をもとに作成
(出典:厚生労働省「平成29年度『不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査』」)

では、なぜ両立が難しいのでしょう?

※厚生労働省「不妊治療と仕事の両立サポートブック」をもとに作成
(出典:厚生労働省「平成29年度『不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査』」)

最も多かったのは「精神的負担が大きいため」。そして、「通院回数が多いため」「体調、体力面で負担が大きいため」「仕事の日程調整が難しいため」と続きました。
そのなかで「職場の理解やサポートが得られない」「職場が長時間労働である」など、職場環境も両立をむずかしくさせる要因となっています。

このような状況をふまえ、不妊治療と仕事の両立のために企業ができることは、どのようなことでしょう。不妊治療がスムーズに行えるよう、支援制度を整備したり、職場の理解を深め協力体制を進めたりしているソニーの両立支援制度「シンフォニー・プラン」をご紹介します。

ソニーでは不妊治療と仕事の両立をサポート

ソニーでは働き方や家族の状況に合わせて、社員一人ひとりに寄り添う両立支援制度「シンフォニー・プラン」を用意しています。この制度の目的は、多様なバックグラウンドを持った社員が、さまざまなライフイベントと仕事を調和させながら力を発揮できるようにすること。不妊治療についても、社員が仕事との両立を叶えるための多様なプランでサポートしています。
シンフォニー・プランでは、これまでの産前・産後、育児との両立支援施策(短時間勤務、年次有給休暇の時間取得、ベビーシッター費用補助、休職キャリアプラス(研修費用補助)など)に加え、不妊治療との両立をサポートする制度を新設 。年12回の有給休暇(基本給の70%支給)をはじめ、1年間の休職(無給)や治療期間中の短時間(6時間)勤務、年20万円(上限100万円)の支援金を用意し、自由に選べるようにしました。対象者の性別は問いません。支援金は社員の配偶者も利用できます。

*ソニーグループ株式会社を含む一部の会社の導入例になります。制度内容は、グループ各社により違いがあります。

ソニーでは、「シンフォニー・プラン」に加え、ライフイベントと仕事の両立をサポートする取り組みを積極的に行っています。
・「育休前セミナー」:出産を迎える社員を対象とし、産前・産後、育児休職中に必要な知識や情報を提供。
・「復職後セミナー」:復帰後には両立しながら、キャリア形成を支援。育休を取得した男性社員も参加だけでなく、復職者の上司も参加。
・「ちちおや育休セミナー」:男性社員が取得できる育児休暇・休職制度について学ぶプログラム。
・「ダイバーシティマネジメントセミナー」:マネジメント向けのセミナーで、DE&I推進の重要性や多様な働き方についてマネジメント層の理解も促す。
・コロナ禍において、妊娠中の社員に対しては医療職が個別にフォローを行い、適切に就業上の配慮をする体制。

時代が変われば、働き方も変わっていきます。価値観やライフスタイルが多様化する「今」に合わせて、誰もが柔軟で自分らしい選択ができるように、さまざまな取り組みが行われています。今回の記事をきっかけに、少し先を見据えたライフイベントやキャリアプランを考えてみてはいかがでしょうか。


さまざまな社員が不妊治療を学ぶためにセミナーに参加!

今回実施した不妊治療のセミナーは、治療を行っている人や治療を考えている人だけでなく、さまざまな年代や性別の社員が参加し、テーマへの関心の高さがうかがえました。不妊治療の現状や課題について、多くのことを学べる場となりました。

【セミナー参加者属性(%)<回答者数=97>】

セミナー後のアンケートには、参加者から「妊娠年齢の重要さを強く感じ、キャリアとの両立を真剣に計画立てて考えなければいけないと感じた(20代・女性)」「自身だけではなく、周りの方への理解も含めて行動していくよう心掛けたいと感じた(30代・男性)」「自分の頃(30年ほど前)と比べて進歩を感じました(50代・男性)」といったさまざまな感想がありました。
不妊治療について知ることで、これからのキャリア形成を考えるきっかけになった人もいれば、不妊治療を行っている方への配慮が大切だと気付いた人も。さまざまな立場の人にとって学びの多いセミナーとなったようです。
今後も不妊治療の取り組みについては、このサイトで継続的に取り上げていきたいと思います。

【セミナー概要】

■「不妊治療について考えてみませんか? ~医師からのレクチャーと経験者からのアドバイス~」

開催日時:2021年4月20日 18:30-20:00 オンライン
講師:京野 廣一先生 (京野アートクリニック 理事長)

セミナーでは、不妊治療の各治療法の特徴や検査の流れ、来院回数など、エビデンスに基づいた不妊治療の情報が満載。妊娠適齢期や卵子凍結についての最新情報も教えてもらいました。
また、社員からのさまざまな質問に京野先生が丁寧に回答。不妊を予防・解消するためのライフスタイル、不妊の可能性を事前に調べる検査、不妊治療の進め方や通院頻度、かかる費用についてなどの疑問にこたえてもらい不安の解消が図れました。
さらに不妊治療経験のある社員が登壇し、治療歴や実際にかかった費用などのリアルな実状、不妊治療当事者やマネジメント層へのアドバイスも実施。セミナー後のアンケートでは、参加者の約99%が「有益なセミナーだった」と回答し、不妊治療に対する理解を深められた」と多くの社員の好評を得ました。


【参考資料】


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