【ソニーのヒトってどんな人? Vol.2】エンジニア、キャリアコンサルタント、新卒採用という異色のキャリア。最終的には「人」を残したい。
ソニーのヒトってどんな人?
ソニー社員の「その人らしさ」に迫る連載企画。それぞれの個性をMy Work(仕事内容)、My Passion(仕事への想い)、My Sony(自分にとってのソニー)、My Future(将来の展望)の4側面からクローズアップしていきます。
今回は連載企画第2弾として、エンジニア、キャリアコンサルタントを経て、現在は採用グループに所属し、高校生や大学生にワークショップなども行う宮嵜さんにお話を伺いました。
- 久藤 颯人
My Work<自分の思いに向き合うキャリアピボット>
──これまでソニーでどのような経験をされてきたのですか?
大学院卒業後、最初は光ディスク検査装置向けのソフトウェアの開発に携わりました。また、業務外でチューター※と画像認識ブラウザを開発し、評価されてコンピューターグラフィックスを扱う学会に出展することができました。それが一つのきっかけとなり、テレビなどの組み込みソフトウェアを開発する部門に異動しました。
※チューター制度とは?
⼊社後1年間、配属先の先輩社員がチューターとしてキャリアのスタートをサポートします。それぞれの領域における実務習得の機会に伴走しながら、ビジネスパーソンとしての基礎づくりを⽀えます。職場や仕事に慣れるためのアドバイスだけでなく、会社⽣活やキャリアについての相談にも応えます。
その後、社内募集制度を利用し、当時まだ実用化されていなかった、ユーザーの趣味嗜好を理解してコンテンツを勧める技術の研究にも取り組みました。自分が開発したアルゴリズムが音楽ストリーミングサービスに搭載され、世界19カ国でリリースされた時はとてもうれしかったです。
──その後キャリアコンサルタントを取得し、採用グループに異動したのですよね?
そうですね。エンジニアとしてキャリアを歩む一方で、エンジニア以外のキャリアにも挑戦してみたい気持ちがありました。そこで以前から興味を持っていた国家資格である「キャリアコンサルタント」を取得し、社員のキャリア支援も始めました。本業であるR&Dの業務でも新たな観点で考えることができるようになり、成果が出ました。それが評価され社内FA制度※を行使する権利を頂き、1年前に採用グループに異動しました。
※社内FA制度とは?
仕事を通じて高評価を獲得した社員に対して、プロ野球のようにフリーエージェント(FA)権が与えられるユニークな制度です。寄せられたポストや職種へのオファーに対して、FA権を行使することによって新しい職場へ異動することができます。
プロ野球だけじゃない!ソニーでできるFA宣言
──なぜキャリアコンサルタントや人事へとキャリアを変更したのですか?
おそらく皆さんが抱く典型的なエンジニアのイメージは、純粋にテクノロジー自体が好きな人が多いと思います。私はそうではなくて、テクノロジーはあくまで手段だと思っていました。どのように世の中で活用されて、どのように人がワクワクして日常生活が豊かになるか、もともと「人」に軸足がありました。だからこそ、キャリアコンサルタントや人事に興味を持ちました。
My Passion<毎日自分が変わっていく楽しさ>
──人事の仕事に飛び込んでみて、どうですか?
エンジニアとして20年以上キャリアを歩み、未経験で人事に挑戦したため、ゼロから毎日少しずつ進化して、自分が変わっていくのが楽しいです。私は今採用グループに来て2年目なので、入社して2年目のチームのメンバーと同期だと言いながら楽しく毎日を送っています。また、エンジニアとしての経験を生かして、採用業務を効率化するソフトウェアをつくったりして感謝されたので、自己肯定感も上がりました。
──社員のキャリア支援をしていた時と変化はありますか?
社員のキャリア支援をしていた時は、ソニーで働く皆さんの抱える葛藤や不安に向き合っていました。今は主に学生とのやり取りが多いので、社会人のキャリアだけではなく学生ならではの視点も加わり、両面から考えることができます。人事として多様な方々を支援するための視座が高まったと思います。
My Sony<面白いが飛び交う環境>
──ソニーで30年近くキャリアを歩む宮嵜さんが感じる、ソニーの素敵なポイントを教えてください!
よく自由闊達と言いますが、その言葉通りの社風・環境である点です。ちょうど先日、採用イベントにR&Dに携わる社員と登壇した際、「研究テーマは上から決められるの?」と聞かれたのですが、マネジメントと新入社員と顔を見合わせて「上司からいろいろ言われることはないよね」と話しました。もちろん大きな方向性はあるのですが、ボトムアップでこんなことがやりたい!という思いを持つ人が行動すると、それが成果に結びつくことが多いです。
──確かに、私もインターンを始めて1年半くらい経ちますが、学生であっても自分のやりたい企画を自分なりに進めています。
また、「面白い」が飛び交う環境という点も良いポイントだと思っています。部下が何か意見すると、上司が「それ、面白いね」とコメントすることがよくあります。面白いことをやる姿勢や、それを評価する文化がベースにあるので、それを若手にも体現してほしいですし、これからソニーで働きたいと思う学生にも伝えたいです。
My Future<金を残すは三流、仕事を残すは二流、人を残すは一流>
──これまでさまざまな経験をした上で思う、今後の目標は何ですか?
人を残したいです。プロ野球の監督だった野村克也さんが残した「金を残すは三流、名を残すは二流、人を残すは一流」という言葉があります。これをビジネスに置き換えると、「名を残す」は「仕事を残す」とも言うそうです。R&Dセンターに所属していた時に私が作ったソフトウェアやサービスが今も使われていますが、そういう意味で私も仕事を残せたような気がしています。
その次の段階である「人を残す」ことに、今挑戦していると思っています。例えば、私と関わったことがきっかけでソニーに入社した方がいる、高校生にキャリアの話をして、それがきっかけで決心して進路を決められた、私みたいなキャラや価値観を引き継いだ若手社員が、私がいなくなっても同じように挑戦してくれるなどが「人を残す」ことであると考えています。これができたら、かっこいいなと思いますね。
<編集部のDiscover>
同じ大学、同じ学部出身ということもあり、少し親近感を抱きつつ臨んだ取材。始めてものの数十秒で、宮嵜さんの気さくな人柄に引き込まれました。また、苦労もありつつ多様な領域で実績を残してきた宮嵜さんの、「人を残したい」という言葉はすごく素敵でした。