SONY

エンジニアとともに
一人では辿り着けない成果へ

Sai Karasawa

2017年入社

唐澤 才

プロダクトデザイン

新卒
採用

「色々なデザインを知りたい」という思いから、ソニーに入社し、ワイヤレスイヤホンやICレコーダー、「INZONE™」のゲーミングモニター、バーチャルプロダクション向けCrystal LED VERONAなど、多様な事業領域のプロダクトをデザインしてきた唐澤 才。エンジニアたちとのものづくりの楽しさを大切にしてきた彼に、学生時代の思い出、これまでの仕事、この先の目標について聞きました。

仲間とのものづくりが
最高に楽しかった

学生時代の思い出は?

大学の課題はもちろん、仲間たちと自主的に色々なものづくりに明け暮れていた日々でした。同じ学科内に様々な専攻があり、私はプロダクトデザイン専攻でしたが、グラフィックデザインや建築専攻の友人たちと、学園祭で本格的な店舗を建てたり、友人の親戚が所有していた古い家を許可を得て改装したりするなど、様々なものをつくっていました。

当時から一人で創作するよりも、仲間とつくるのが大好きでしたね。なぜなら、建築の知識をはじめ多様なスキルを持つメンバーが力を合わせれば、自分一人ではできないこともできるから。さらに作業明けに仲間と行きつけの喫茶店に赴き、そのとき皆が気になっているカルチャーなどを語り合うのも楽しかったです。

子どもの頃から
楽しそうな会社だと思っていた

ソニーを選んだ理由は?

ソニーという会社を認識し始めたのは小学生の頃。父親がサイバーショットDSC-F505Vというデジタルカメラを買ってきたんです。そのカメラは、レンズが上下に回転するという他のカメラとは全く違うデザインで、「面白いことを考える人がいるんだな」と強く印象に残りました。そのDSC-F505Vのメカ的なギミックが面白くて、父親が使っていないときは、よく触って遊んでいました。

それ以来、「ソニーは楽しいものをつくる会社」というイメージがあり、就職活動時も自然とソニーのクリエイティブセンターを意識していました。さらに、「エンジニアとデザイナーが協力しながら製品をつくる」というものづくりの姿勢にも大きな魅力を感じていました。

試行錯誤を繰り返すことで
新たな解が見えてくる

印象的だった仕事は?

最近大変だったのは、ソニーの新しいゲーミングギアブランド「INZONE」のゲーミングモニターM9のデザインです。前例のない構造を持つ製品で、エンジニアと二人で「どうやって構造的に成り立たせようか」と毎日のように頭を悩ませていたのですが、そんな苦しい時だからこそ、常に冗談を言い合っていました。そのせいか、徐々に信頼関係が育まれ、エンジニアから「こういう構造にすれば、デザインの自由度が上がる」と提案をもらったり、自分からも「この構造なら、強度と小型化を両立できるのでは」と設計のアイデアを伝えたり、職種の垣根を超えて力を合わせることで、この難問をクリアできました。

また、個人的に思い入れがあるのが、バーチャルプロダクション向けCrystal LED VERONA。これは巨大なLEDディスプレイを構成するキャビネットで、現場の設営スタッフの方が組み立てる際、位置ずれを起こさないよう気を使いながら設置していきます。それを鑑み、キャビネットの背面は水平垂直を基調として、精度感のあるデザインに。また、重量が1台10kg近くあるため、設営スタッフの方が少しでも楽に持ち運び、設置できるようにハンドルの形状を何度も検討しました。一般的にキャビネットの背面は人目に触れないものですが、設営スタッフの方にとっては日常的に扱う道具。クリエイティブな現場を支える彼らに敬意を込めてデザインしました。

バーチャルプロダクションのセット(左)、Crystal LED VERONA(右)

まずエンジニアと仲間になる。
そこからデザインがはじまる

仕事のモットーは?

当たり前のことですが、多くの方の協力がなければ製品は作れません。私の場合はエンジニアのもとに足繁く通い、彼らのオフィスに半分居つくこともあります。はじめは少し鬱陶しがられるのですが、何度も通いながら「この基板をこういう取り付け方にすれば、このデザインを実現できませんか?」などとアイデアを出し続けていくと、彼らも「そんなに言うのなら、頑張ってみようか」と段々と自分たちエンジニアの仲間だと思ってくれようになるんですよね。その後、彼らからも「こんなデザインも考えてみたんです」と提案してくれるなど、そういった相乗効果が生まれたときはものづくりが一層楽しくなります。

デザインが心底好きで
好奇心が旺盛な人ばかり

職場の印象は?

デザインが心底好きな人たちの集団という印象です。誰かがデザインの試作を前に悩んでいると、通りすがりの他のデザイナーたちが立ち止まって、「こうしてみたらどう?」と自分のアイデアを伝えている光景をよく見ます。ただそれは、助けるという意識ではなく、そのデザインに興味があり、自分もアイデアを出したいという好奇心がそうさせるのだと感じています。

かくいう私も気になるプロジェクトがあると自分のアイデアを勝手に提案することがあります。最近参加した「XRキャッチボール」というプロジェクトも、担当者に「この部分はこうした方がよいのでは」と伝えたら、ちょうど彼らが検討したい課題だったらしく、そのままメンバーに加えられました。

Crystal LED VERONAの
プロダクトデザインの流れ

  1. 市場からの要求を収集
    しながら、機材を扱う撮影現場のプロへのヒアリング

  2. デザインコンセプトの決定

  3. 放熱や強度などの設計条件と
    コンセプトを照らし合わせ
    ながらデザイン検討

  4. デザインがほぼ決まり、
    設計試作で検証

  5. 設計のアップーデートに伴い
    適宜デザインも修正

  6. 量産に移行し、
    製品リリース

人の心を豊かにするものづくりを続けていきたい

この先の目標は?

思えば、学生時代から仲間とのものづくりに熱中してきたのですが、ソニーという場でその楽しみがスケールアップし、このまま続けていきたいと考えています。他部署の方とすれ違いざまに立ち話をする中で、彼らから「実は有志でこんな技術も研究開発している」と聞かされることが多くあり、そのようないわゆる机の下の技術が社内にたくさんあることがわかりました。このさき、そんな社内に溢れる技術のアイデアをデザインの力で編集し、自分が小学生の頃に見たソニーのカメラのような、楽しい未来を期待させる製品やサービスの創出に関わっていきたいと思っています。