SONY

多様な文脈を読み解き、
「意味」をデザインすること

Hiromu Yumiba

2018年入社

弓場 大夢

UI/UXデザイン、サービスデザイン

新卒
採用

入社以来、ソニー生命のリモートコンサルティングサービスや、エンタテインメント車両Sociable Cart
(ソーシャブルカート)など、ソニーグループの多様な事業領域のデザインを手がける弓場 大夢。
UIデザインを起点に、サービスを取り巻く環境全体を考えるサービスデザインを担当する彼に、
自身のルーツ、これまでの仕事、この先の目標について聞きました。

学生時代の苦い経験が
自分のデザイン観を鍛えてくれた

あなたのルーツは?

大きな転換期は、大学のある授業で一番下の評価をもらったこと。いま思うと、当時は考えが浅く表層的なデザインばかりしていましたね。その後「このままじゃダメだ」と、産学共同プロジェクトを多く手掛ける学内でも最も忙しい研究室に入室。参加できる全てのプロジェクトに手を上げる気持ちで、デザイン漬けの日々を送りました。

一つ一つのプロジェクトについて、その提供価値を探り、いくつものアイデアを出し、それに対する教授や企業の担当者の厳しい指摘をもとに、さらに新しいアイデアを考えていく。そんな修行の日々の中で「新しいアイデアは、さまざまな視点から考え尽くした先にある」という今の自分の土台となる考えが身につきました。

ソニーの事業領域の広さに
デザインのチャンスを感じたから

ソニーを選んだ理由は?

就職活動の際、進路が絞りきれず「とにかくいろいろなデザインができる会社に入りたい」と考えていたんです。そんなときソニーの説明会に参加し、エレクトロニクスやゲームの他にも、音楽、映画、金融など、その事業領域の広さに興味を持ちました。さらに、ソニーのUIデザイナーは製品画面の中だけではなく「テクノロジーとユーザーの接点(インターフェース)全てを創る」という考えで広大なデザイン領域に挑んでいて「求めていた環境はここだ!」と。入社後は想像以上で、モビリティ事業、XR技術の研究開発、Sci-Fiプロトタイピング、さらに金融サービスなど新たな領域の案件ばかりを担当し、大きな責任とやりがいを感じています。

ソニー生命 リモートコンサルティングの面談アプリ

自分の想いがメンバーに響き、
プロジェクト全体をデザインすることに

印象的だった仕事は?

入社4年目のときに、「リモートコンサルティング」という、ソニー生命のライフプランナーとリモートで面談・契約ができるサービスのデザインをリードしました。元々の依頼は面談アプリのユーザビリティ改善だったのですが、使いやすさとともに、私自身がこのサービスを利用して感じたライフプランナーの気遣いやマナーといった見えない信念を画面上でいかに表現するかに挑戦。ライフプランナー経験者を交えた幾度ものワークショップから、お客さまに対する想いを聞き出し、「失礼なくお客さまを迎えるための入室画面」「お客様と目線を合わせて会話できる映像レイアウト」といった彼らのコンサルティングに寄り添ったUIに落とし込みました。

そのような自分のデザインがソニー生命のメンバーの共感を得て、面談アプリのUIデザインにとどまらず、本サービスの社内導入用スタートアップガイドの制作や、ツールに関するサポートWEBサイトの整備、PR用イベントへの登壇などにつながり、包括的にプロジェクトへ貢献することができました。また、実績と経験の少なかった自分を信じて、見守り役に徹してくれたデザインチームの先輩たちの心遣いも有り難かったです。

ソニー生命 リモートコンサルティング デザインの流れ

  1. デザインプロセスの
    設計

  2. 関係者を集めて
    ワークショップ
    (リサーチ、アイデア出し等)

  3. コンセプト立案 /
    UIスケッチ /
    プロトタイピング

  4. 実装 /
    ユーザーテスト

  5. プロモーション活動 /
    社内サポート
    環境の整備

  6. リリース

そのプロダクトやサービスが存在する
「意味をデザインする」こと

仕事のモットーは?

上司の教えなのですが「意味をデザインする」という感覚を大切にしています。今はモノが豊かな時代で、新しいプロダクトやサービスを世の中に定着させることは容易ではありません。デザインに際して、ユーザーを中心に考えることはもちろん、そのプロダクトやサービスの存在理由まで表現すること。

そのために、企画書を起点にしながらも、ビジネス、技術、歴史、社会、地球など色々な文脈からプロダクトやサービスを読み解き、その本質的な価値を考え続けることが大切だと考えています。自分の経験上、より本質を突き詰めて強い意味を表現できたデザインほど、ユーザーの共感につながると感じています。

家族も、仕事も、どちらも
大切にできる働き方がうれしい

ソニーでの働き方の感想は?

今年、子どもが生まれて長期の育児休職をとりました。上司も「仕事のことを一切考えないのも貴重な経験だから」と背中を押してくれました。私にとって、家族と仕事はどちらも大切で、充実させたいもの。ソニーでは多様な働き方を選べるのですが、私は復職後もほとんど在宅勤務で、家族が過ごしているリビングでいつも仕事をしています。

それによって、子どもの成長をより近くで見守ることができますし、パートナーが困っていたらすぐに助けることもできて安心です。このような家族の時間と仕事がグラデーションになった働き方ができることがうれしいですね。

目指すのは、世の中を良くするサービスデザイナー

この先の目標は?

最近思うのは、デザインを良くすることよりも、プロジェクト自体が上手くいき、世の中を良くすることの方が何倍も重要だということ。そのために私は「みんなでデザインすること」を意識しています。前述のソニー生命のリモートコンサルティングサービスでは、メンバーたちのさまざまな意見をデザインに取り入れることで、自分の想定以上のものになりましたし、何よりサービスに対するメンバー全員の愛着が深まり、プロジェクト自体が好発進できました。デザインには世の中を良くする力があると信じていますし、そういうデザイナーになりたいと考えています。