SONY

まだ世の中にない
楽しみをつくり出したい

Jiro Kawano

2017年入社

川野 次郎

UI/UXデザイン

新卒
採用

2021年レッドドット・デザイン賞を受賞したSports & AIプロジェクトをはじめ、
新領域のUI/UXの創出に力を発揮してきたデザイナー 川野 次郎。
デザインを通じて、今まで誰も見つけていない楽しみを発見することがモットーだという彼に
学生時代の思い出や、ソニーを選んだ理由、入社後の仕事について聞きました。

目先の結論に
すぐに飛びつかない

学生時代に学んだことは?

大学の授業はもちろんのこと、毎日往復3時間の電車通学でいろいろな本を読み耽っていました。そのなかで芽生えたのが「物事を長いスパンで考えて、目先の結論にすぐに飛びつかない」という考え方で、いまの自分のデザインの指針にもなっています。

例えば、映像を配信するプラットフォームをつくりたいという依頼があったとき、提示された要件を鵜呑みにしてUIをつくるのではなく、「人はなぜ情報を伝えたいのか」という根源的な問いから考えはじめ、テレビやSNSなど情報伝達メディアの歴史を調べたうえでつくった方が、より強いUIになると考えています。

「頭で考える」だけでなく、
「手で考える」ことが大切

留学で得たことは?

フランスとフィンランドの美術大学に留学しました。両大学とも、授業では課題に対し、コンセプトを立て、プロダクトやサービスをつくっていくという流れだったのですが、アプローチがそれぞれ違っていて興味深かったですね。フィンランドの学生がコンセプトを頭で考えることが多いのに対し、フランスの学生はコンセプト段階から、どんどん形にしていって、手で考えることが多いという印象でした。

自分のアイデアをすぐに形にすることで「ここが弱点だね」と周りからのアドバイスで問題点に気づけたり、それによって新しいアイデアを思いついたり、頭の中で考えている以上のものにアプローチできました。このときの気づきは今の仕事にも直接役立っていますね。

新しい領域を目指す、
探検隊のような楽しみがある

ソニーを選んだ理由は?

とにかく新しいものをつくりたいと思い、それができる会社はどこだろうと調べて、ソニーにたどり着きました。入社してから印象的だったのは、目の前の仕事をより良くしようと試行錯誤しているデザイナーに対して、同僚や先輩が協力を惜しまないこと。ソニーのデザイン部門の仕事は、いわば探検隊のように新しい領域に挑むデザインが多いため、互いに力を合わせるという文化があるのかもしれません。

そんな職場を選んだ人たちだから、みんな好奇心が強い。義務で助けるというより、他の人のデザインにも興味をもって協力してくれる感じです。また、いろいろな専門分野のエキスパートが所属しているので、自分とは違った切り口のアドバイスがもらえるので刺激になります。

Sports & AI プロジェクト

社内のテクノロジーを翻訳し、
新しい価値に変える

これまで担当した仕事は?

クリエイティブセンターでは、社内の多様なテクノロジーをデザインの力で翻訳し、新たな体験価値を創造していく実験的なプロジェクトを多数行っていて、入社以来、自分もそれらの活動に参加させてもらっています。その中の一つ、Sports & AI プロジェクトは卓球の試合を撮影しながら、ソニーの高速ビジョンセンサーと骨格推定技術を使って、高速で動く球や選手の動きを解析するもので、私は球の軌跡や選手の姿勢のデータビジュアライズを担当しました。手探りのデザイン開発でしたが、これらの技術の優位性を引き出しつつ、まだ見ぬ卓球の面白さを発見できる表現を突き詰めました。

また、現在はXperia™スマートフォンのカメラアプリのUIも担当していて、道具としての使いやすさと、プロフェッショナルな撮影機能とスマホユーザーをつなぐようなインタラクションを両立したアプリを追求しています。

思いつきでもいいから、
形にしてみる

仕事に対するモットーは?

フランス留学の経験が基になっているのですが、思いつきを形にしてみることです。「これはないでしょ」と思ったアイデアでも評判がよい場合があるんですよね。例えば、Xperiaのカメラアプリでは様々なインタラクション案をスケッチして、エンジニアに見せていたのですが、微妙かなと思っていたアイデアが一番要件に合っていて、そこから話が発展しました。思いつきを形にすることは、開発メンバーの共通意識をまとめ、議論の起点をつくることだと思っています。

UIデザインの仕事の流れ
(PhotoPro Basic mode)

  1. 商品企画からの
    企画提示

  2. 想定ワークフローを
    書き出し、
    UX(ユーザー
    体験)のゴールを決める

  3. 設計・商品企画・
    デザインの各メンバーで
    機能要件を洗い出す

  4. UIのワイヤーフレームを
    書く / ビジュアルに
    落とし込み、画面の
    情報量を整理

  5. 実装・プロトタイプを
    つくりながら
    ブラッシュアップ

  6. リリース

まだ世の中にない楽しみと
ユーザーをつなげること

この先、挑戦したいことは?

まだ世の中に存在していない楽しみを具現化し、それをユーザーにつなげることが、ユーザーインターフェースデザインの役割だと考えています。ソニーでは新たなテクノロジーやプロダクトがどんどん開発されていて、それにデザインを組み合わせることで、今までにないものを生み出せると思います。例えば、自分がデザインしたXperiaのアプリを使って、さらにユーザーが新しいことをはじめてくれたら、これほどうれしいことはありません。